【2006年08月号】J−WAVE「NISSAN CANDY BANDY」内対談 高城剛(たかしろ・つよし)氏×喜多見 龍一「パワースポットって?」



2006年8月

J−WAVE「NISSAN CANDY BANDY」内対談

「パワースポットって?」高城 剛氏×喜多見 龍一



高城:じゃあ、喜多見さん、さっそくお聞きしますが、パワースポットって、なんですか?

喜多見:そこに行くと元気になったり、いろいろな効果があると思うんですけれど・・・

高城:例えば、キャバクラがパワースポットって、それは違いますよね!? 元気になれても・・・(笑)

喜多見:(笑い)そうですね。必ずしも、一定の効果しかない、というわけじゃなくて、たとえば昔のことを、急にそこに行ったら思いだしたりとか、なにかある考えが突然パッと降ってきたりとか。そういう「意識に働きかける場所」。

高城:場所が自分の意識そのものに働き掛けるというところを、パワースポットというわけですね。

喜多見:そうですね。

高城:そこを聖地であるとか、サンクチュアリとよくいわれていますよね?

喜多見:そうですね。

高城:これは歴史的に見ても、そういういわれがあるような場所が多いんですか?

喜多見:多いですね。確かに、遺跡で過去、そこに生活していたエネルギーみたいなものが影響しているという話もありますし、いろいろな場所があるんですけれども、地球がそもそもひとつの生命体として生きているという、昔、70年代の終わりぐらいにラブロックという人が言ったような説、ガイア説・・・。

高城:ジェームズ・ラブロックですね?

喜多見:そうです。例えば動物、植物までは、皆さん、生物だ、生き物だと認識しているんですけど、鉱物だって、生命のスパンがあまりに長いのでぼくらが感知できないだけであって、もしかしたら生命があると認識できるかもしれない。そういう同じ意味で、地球自体がもしかしたらひとつの生き物であるかもしれなくて、そうしたときにぼくらの身体にツボがあるじゃないですか、押すツボ。その地球のツボみたいなところが、いわゆるパワースポットなんじゃないかという説もあります。

高城:中国ではよく、つぼというか、穴と書いて「ケツ」と読みますけど、まさにそうですね。地球の穴(ケツ)、すなわちそれがパワースポットであると?

喜多見:そうですね。龍穴(りゅうけつ)、なんていいますね。

高城:例えば、きょうは六本木のJ−WAVEですが、この近くにもパワースポットみたいなものはあるものなんですか?

喜多見:あると思います。わたし、この中沢新一さんの『アースダイバー』(※講談社刊)の・・・

高城:
縄文の地図を。

喜多見:この本のおまけに付いていて、その中にも載っているんですけれども、ここから新一の橋の方へ出まして、真っすぐ突っ切っちゃいますと、麻布十番を抜けて芝公園の方に・・・。

高城:行きますね、T字路がありますね?

喜多見:ええ、突き当たりますよね。

高城:はい。

喜多見:そこを左に曲がると、そこら辺が芝公園の一部なんですけれども、曲がる手前に新しいプリンスホテルがありまして、そのプリンスホテルと芝公園の交差点の間に、限りなく緑のこんもりしたお山があるんですよ。 【地図を見る】

高城:ありますね。

喜多見:あそこは実は縄文の貝塚でして、しかもかなり古いんですね。そこに行くと、一種独特な雰囲気が、ある人はあると・・・。

高城:あまり電磁波が強いからだめですね。

喜多見:そうですか。

高城:ええ。ぼく、いろいろな土地を調べるのが好きで、いつもガウスメーターって持っているんですよ。ガウスメーターを持っていって、地力というか、磁場を測っているんですね。ぼくが近郊で行く場所ってふたつあって、ひとつは「神之木」(※京浜急行「新子安」駅近くの公園) 【地図を見る】 といわれているところが神奈川県にあって、それは小高い丘になっているんです。みんな、そこを歩いていると病気が治るんですよ! 変わったところです。もうひとつは「大宮の氷川神社」(※大宮駅東口より東北方向) 【地図を見る】 なんですよ。ここも結構よくて、そこに真ん中に大木があって、そこのそばがすごくよくて、ガウスメーターも非常にいい数値が出ているんです。

喜多見:それはガウスがどうなんですか?

高城:ゼロです。限りになくゼロに近い!

喜多見:要するにゼロ磁場みたいな状態になるわけだ!

高城:そうです、非常にゼロに近い。ちょっと揺れたりはすることあるんですけど、非常に近くて。それで日本中というか、世界中、いつもガウスメーターを持っていって、ぼくはデジタルとか、数値化するのが好きなので、人間の身体を数値化すると同じように、土地とか不動産みたいなのを数値化しているんですよ。あることをするとゼロに近づける、例えば炭を埋める、とかいう人もいるんですけど、もともと持っている土地の磁場ってあるじゃないですか? そのゼロを探すのが趣味でいろいろ探しているんですよね。

喜多見:そうですか! ぼくはパワースポットって、万人にとって、ここがそうだという考え方もあるかもしれませんけれども、一人ひとり、違ってしかるべきだなという気持ちもしていて、あるところに行くとある人はいいけど、ある人はそこまでの効果はないみたいな、そういうことがあるかもしれなくて・・・。そういう意味では裏庭に自分のパワースポットがあるという人もいるんじゃないかなと思ったり。

高城:それはぼくも調べて、ぼくは数値化するのが好きなので、人間って全員周波数が違うんですよ。たとえば、ぼくの周波数と喜多見さんの周波数は違って、その周波数同士が呼応すれば最高のハーモニーになるんですよね。

喜多見:そうですね。

高城:しかし、自分の周波数に近い周波数の場所を探し出せれば、それがパワースポットになるんじゃないかと、ぼくの勝手な説なんですよ。ぼくは自分の周波数が分かっているので、体調が悪いと周波数が変わっちゃうんですね。自分の体調が悪いときに、オリジナルの、いい周波数の場所に行けば周波数が戻るわけですから、そういう場所をいくつ持っていられるか、というのがポイント。沖縄と北海道と東京のいくつかの場所に行ったんですけど、行くと、結構いい感じになるんですよ。

喜多見さんにとって個人的なパワースポットってありますか?

喜多見:ぼくは神社とかが多いですね。

高城:ちなみにどこでしょう。

喜多見:遠いところだと、出雲大社の方にある「物部神社」(※もののべ。島根県大田市川合町)というのがありまして、物部氏が昔戦いをしていたときのお祈りの場所だったんですけど、そことか・・・。【地図を見る】

高城:やっぱり11月に行かれるんですか? 神様はみんな11月に行きますよね?

喜多見:そうですね。出雲はそうですね。あそこは、そもそもかなり古い時代の場所が多くて、独特の雰囲気があると思います。行くと決して変な感じはなくて、落ち着いてゆっくりするというか、非常に忙しい毎日を過ごしているような人は、ちょっとホッとするようなニュアンスがあると思います。

高城:イヤシロチ、ってよくありますよね?

喜多見:そうですね。

高城:そういうパワースポットのことを、昔からイヤシロチといっていたと。癒されたいという言葉があると思うんですが、イヤシロチの反語はケガレチですよね? よくない場所をケガレチと呼びます。ということは癒されたいの反対は、汚れているということですよね?

高城:人々はそんなに汚れているんですかね(笑)?

喜多見:あの言葉はすごく言葉自体に力があって、ケガレチというと、本当に汚れているそのもの、みたいな感じがするじゃないですか。イヤシロチというと、すごく真っ白な感じがするし。言葉のイメージがすごく強いですけれども、あれは、高い山の峰と峰をつないだところがイヤシロチで、谷と谷を結ぶとケガレチだとかいうんだけれども、そういうことよりも、やっぱり実際に自分がその場所に行って、五感と五感を越えたものがもし仮にあると仮定すれば、第六感、シックスセンスみたいなものがあるとしたら、そういうもの全部で感じて、自分がやっぱりそこがいいなと、気持ちいいなと思えば、それがその人のパワースポットなんじゃないかと。

高城:ということは、五感を研ぎ澄ませて気持ちいいとはなにか、ということを考えて、それを素直に受け止めろということですね?

喜多見:そうですね。

高城:それがキャバクラだったらどうするんですか(笑)?

喜多見:(笑)キャバクラは・・・

高城:あっち(録音ブース)で笑っている人がいるんですけど(笑)・・・

喜多見:まあ、なる人もいるんじゃあ・・・。

高城:そういう俗っぽいものは置いておいて、本当に自分とはなにか、自分と地球との関係を考える間に、お酒だとか、女の子だとかを置いておいて、おしゃれとか、きれいを置いておくとしても、そういう時間をまずつくれということですよね。

喜多見:そうですね。やっぱりパワースポットとか、そういう一連の考え方の中には、スピリチュアリティというか、精神性みたいなものが色濃く入っていて、そういうところはあると思います。やっぱり自分を啓発するような方向に力が働くような感じというか・・・。

高城:喜多見さんの会社で編集なさった『世界のパワースポット』(※ヴォイス刊)という本があると思うんですが、なぜこんな本をお作りになろうと思ったんでしょうか?

喜多見:わたしども、まわりのお客様とかの声を聞くと、やっぱりみんなで友達と連れだってパワースポット巡りをしてみたい、という声があったんですね。そういう方がいらっしゃって、国内、海外、いろいろな場所はあるんですが、第一弾としては『世界のパワースポット』を出してみようと。今はちょうど、『日本のパワースポット』を編集中なんです。

高城:
どこだか先に教えてくださいよ。日本最大というか、最高のパワースポットって、ずばりどちらですか?

喜多見:どうなんでしょう? わたしは「富士山」なんかは、そういう気がしますけどね。やっぱりあれは遠くから見ても、あの独特な形と上に冠雪があって、もう、ひとつの記号になっちゃっているようなところがあって、日本人のDNA の中に入っちゃっています。それを見ただけである種、わたしなんかはどちらかというと、司令塔というと、なんか栗人形みたいになっちゃって変なんですけど、そういう意味じゃなくて、いい情報をもらうという感じがあります。

高城:富士山、いいですよね!?

喜多見:富士山、いいですよ!

高城:ぼく、富士山の映像を撮るのが趣味で、四季折々の富士山を撮っているんですよ。いま作っている新しい作品があって、それは『フジヤマ・ツインピークス』というタイトルなんですけど、もしも富士山がふたつあったら

喜多見:ウェブで出ていましたね。

高城:(ふたつあったら)さらにご利益があるんじゃないだろうかという、倍々という、安直な発想で作ったんですけど。実際に並べてみると、ふたつあっても結構いいんですよ。あれ、なにかありますよね!

喜多見:太陽がふたつあるようなものですね。

高城:本当に。太陽が7つある、という作品も作ったんですけど、それより富士山がふたつの方が、なにかいい感じがするんですよね。富士山以外ではどちらですか?

喜多見:ぼくは、高城さんが日食がお好きだというのをちょっと読んだりして・・・。

高城:はい。

喜多見:あれは時間軸があって、場所と時間によって動くじゃないですか。あれもやっぱり、太陽と月と地球が一直線になったことによって、そこの場所が「時間的にパワースポット化する」ということもあると思うんですね。

高城:パワースポットって、そういう時間軸も重要なんですかね?

喜多見:時間軸でいく人もいますね。高城さんも勉強していらっしゃると聞いたんですけれども、西洋占星術。その西洋占星術の一派で、惑星が移動して、地球上に落とす影、運行の影を描く、ジオグラフィックに描いていく、という技法があって、それだと何月何日に、ほとんどは海の上を動いているわけですけれども、陸地にかかるときがあるんですよ。何年何月何日に、その場所に行くと、その惑星の影響があるので、それが木星だったら非常に拡大するような感じになるとか、そういう効果効能があるという説を唱えている人もいます。

高城:ぼくはそれは説じゃなくて、惑星って全部周波数が出ているんですよ。その周波数が強く地球に降ってきますよね。われわれが持っている周波数があって、鉱物にも周波数がありますよね、植物も全部ある。

喜多見:そうですね。

高城:そのすべてのハーモニーが、一番きれいなときと場所がポイントだと思っていて、常にガウスメーターで周波数を測っているんですよ。

喜多見:常に持っているんですね?

高城:常に持っています。だからどこか旅行に行くときに必ず持っていて、ぼくは変なメーターを測定している変わった人なんですよ! ぜんぶに周波数があるんです。高価なダイヤモンドから安い砂利石まで、ぜんぶ周波数があるんですよ!

喜多見:面白いですね!

高城:その周波数が折り重なった・・・

喜多見:ハーモニー!

高城:そうハーモニーなんです。惑星が動きますよね。石は勝手に動かないですけど、惑星は動くわけです。それが強く地球に降ってくる瞬間のバランス、ハーモニーが最も自分にいいときが最高だと思っているんです。その場所と時間を常に追い求めているというか、それがぼくのひとつのライフワークみたいになっているんですよ! そこで感じたものをどう人に伝えられるか、対象によって映像作品だったり、それは当然見えないものなので、コンピューターグラフィックスを使ったり、デジタルテクノロジーを使っているんですけれども。これは全員違うはずなんですよ。人間の周波数は全員違うから。

喜多見:確かにそうですね。

高城:「健康のときの自分の周波数を分かっているか、分かってないか」、これは一番重要だと思うんですよ。これを最も科学的に考えているチームがドイツにいるんですよ。ドイツの医学チームが、人々の健康な周波数を出して数値化していて、不健康なときにどんな周波数が出るか、という研究をドイツの人たちがやっているんですよ。ドナウ川周辺に秘密のパワースポットがあって、ぼくも散々連れていかれて、歩かされたんです。非常に不思議でしたね。また変わったことを言うんですよね、ここが『七人のこびと』の舞台になった村だとかって、ドイツ人が変わったことを言うんですよ。聞いてないのにおとぎ話みたいなのをべらべら言うんです。ドイツなまりの英語で。でも面白いんですよ。行くと確かになにか変わった気分になるんです。いい気分というか、不思議な気分になるんですよね。これが面白いと思う。

喜多見:必ずしも、絶対に「いい気分になる」というところがパワースポット、という感じでもないと思いますよ。

高城:ないですよね。なにか不思議な感じがありますよね?

喜多見:ええ、確かに、不思議な感じがありますね。

高城:実際に喜多見さんがいらして、ここで(じぶんが)変わったというところはどちらですか? 世界中で構わないんですけれども。ご本にもいっぱい書いてありますけど、行くならここだろう、というのを。ぜひ行ってみたいと、ぼくに推薦していただいても結構なんですが。

喜多見:ぼくは圧倒的なのはやっぱり富士山ですね。1987年の夏の8月に登っているんですよ。1 回だけしか登ったことないんですけど、大変で死にそうになりました(笑)。頂上まで登りまして、それから今の会社をはじめたり、人生がガラガラッと動きだしたようなところがあって。そのときはそんな気持ちで行ったわけじゃないんですよ。何か期待をして行ったわけじゃないんだけれども。

高城:何合目ぐらいまで行ったんですか。

喜多見:頂上まで行きましたよ。ちょうどその日は特殊な日で、「ハーモニック・コンヴァージェンス」という。ホゼ・アグエイアスというアメリカ人がいるんですが・・・。

高城:マヤ暦の人ですか?

喜多見:そうです。その人が唱えた、いわゆる惑星がちょっと特種な配置になる日で・・・。

高城:シンクロニシティーですね?(※マヤ暦で暮らしていると、自然と調和するために、シンクロが起きるやすくなる、といわれている)

喜多見:その通りです。その日に登りましたら、ジョン・レノンの奥さんは誰でしたっけ?

高城:オノ・ヨーコさんですね。

喜多見:わたし、8合目の山小屋に泊まっていたんですけど、ちょっと寝坊して御来光が見られなかったんです。でも彼女のご一行は、電通の方とかがいっぱいいらして、わたしどもの前に行きましたね。だからちゃんと知っていたんだなと思って、ハーモッニック・コンヴァージェンスの日を。

高城:ちなみに次にその日が来るのは、いつですか?

喜多見:どうなんでしょう。それはまた違うことになっちゃうんじゃないですか。あれはやっぱりあのときに・・・。

高城:そのときじゃないといけないんですね?

喜多見:ええ。

高城:でも普通の日に行ってもかなり面白い感じですよね。

喜多見:だと思いますよ。

高城:じゃあ、悩んだり困ったり、何か感じたかったら富士山に行けと。

喜多見:富士山に行くというのは、ぼくはいいと思います!

高城:ぼくは自分の説で、「地球に水がなかったら説」というのを考えているんですよ。地球に水が全部なかったら、日本そのものが山じゃないですか。

喜多見:なるほど。

高城:大陸から離れて、ポンと離れているんですよ。その最も高い山が富士山だと思っているんです。

喜多見:確かにそうですね。

高城:お山のお山の山なので、非常にあそこは面白いと思っているんです。そういう見方で見てみると、地球で最も高いところはどこかというと、エベレストですよね?

喜多見:そうですね。

高城:ぼく、そばまで行ったんですよ、頂上までは行きませんけど。吐きましたね。それから、なにかすっきりしました。それはただの高山病だろうって、みんなに言われたんですけど。

喜多見:悪いものが出たのかもしれない。

高城:非常に気持ちよかったですね。そのときは苦しみましたけど。

喜多見:やっぱり山って、そういう効果というのは、ありますよね。

高城:なんでですかね? 高山病だけじゃないですよね? おっしゃるように時間も重要だと思うんですよ。マヤ暦とかいろいろな暦があると思うんですが、暦と場所というものを合わせると、不思議な人たちがいっぱいいますよね?

喜多見:なにかそこにはありそうですよね。

高城:ちなみにぼくは、太陰暦で生きているんですよ。まあ、太陰暦は旧暦ですよね?

喜多見:28日周期ですね。

高城:そして日本で必ずぼく、正月に行くところ、すなわち、ちょうど冬至の日あたりに何年かに一回、三輪山あたりに結構行くんですよ(※奈良県桜井市。大神神社の御神体は三輪山)。三輪山って小さい丘で、そうするとおっしゃるように、その日に変わった人たちがいっぱい来ているんですよ。ほとんどそれを見物に行くに等しいんですが・・・(笑)。冬至、昔でいうとクリスマスは冬至祭ですから、冬至の日の朝に三輪山に登ると変わった人がいっぱいいるんです。これが面白いですね。 【地図を見る】

喜多見:やっぱり太陽と地球の関係が、ある種、暦でして、そことその場所というのがリンクするとすごいんですかね。

高城:そうです。太陽と月と地球の関係性でしょうね。この関係性をもう一回しっかり数値化して、自分なりのカレンダーを書いて場所を見つけると、これが面白いと思うんですよね。それが自分のパワースポットになったりとか、なにか新しい自分が見つけられたりと。ぼくも今まで、そうしてきましたね。他者もそこにはいるわけです。オノ・ヨーコさんじゃないですけど。

喜多見:そうですね。

高城:この関係性も非常に面白いわけですよ。「太陽と月と場所と他者との関係」。自分はひとりでは生きてないわけですから。この関係によって次のなにかが・・・

喜多見:動きというか。

高城:動きが見つかってくるわけですよね。これが面白いと思いますが。

喜多見:そうですね。

高城:マヤ暦ということで、2012年の12月には地球は終わるといわれていますけど、これはいかがなんでしょうか?

喜多見:いや、そんなことはないと思います。ぼくら、集合無意識でそれに同意しているかというと、ぼくが考える限り、同意はしてないと思います。むしろそこでひとつの区切りというか、文化的な世界観というか、哲学というか、そうした区切りがある、というのが正解なんじゃないかなと。

高城:どんな区切りがあるんですか? 2012年ってもうちょっとですよ、マヤ暦でいうと。

喜多見:そうですね。ぼくはそのお話をするのにひとつの本をご紹介したいんですけど、『Warped Passages 』という本なんですけれども。 【本を見る】 これはリサ・ランドールという博士が・・・

高城:科学者なんですね?

喜多見:ええ、理論物理学者ですね。数学で物理法則を証明するという、という学問なんですけれども。彼女はこの本の中で、もうすぐ日本で翻訳ができるらしいんですが、「ひん曲がった道」という意味ですよね。『Warped Passages 』ですから。

高城:はい。

喜多見:この中では5次元の世界というのが、縦、横、高さ+時間で4 次元ですね? それにもうひとつ次元を加えた5次元の中に、ぼくらの3次元の世界がある。お風呂場とシャワーカーテンのように。そのお風呂の部屋全体が5次元だと思ってください。シャワーカーテンがかかっていますよね? そこに水滴が一個、二個ついていますよね? その水滴が人間だとして、シャワーカーテンが3次元の世界。3次元の世界は、その膜の上にへばりついているという認識なんだそうです。その世界観では。水滴である人間は、5次元である風呂の部屋は、感知することもできないし、コミュニケーションをすることもできない。ただし、3次元の膜が一枚だけじゃなくて、何枚もあるらしいんですよ。ということは、多次元宇宙論であるし、しかも・・・

高城:パラレルワールド!

喜多見:そう、パラレルワールドになっちゃうんですよ! 並行宇宙になっちゃっていて、だから高城さんが、「この膜」の上にいる高城さんと、「別の膜」の上にいる高城さんが違う体験をしたり、違う性格だったり、そういうことがあり得るということにもなるわけで、彼女はそこまで言ってないんですけど、敷衍していくとそうなるということなんです。それに、別の3次元とこの3次元が、どうやってコミュニケーションをとっているかというと、これがどうも「重力」らしいんですよ。どうも、ぼくも前から「重力」が怪しいなと思っていたんです。5つの力の統合ができないという話のなかで。

高城:重力でどう関係性が。

喜多見:行き来しているのは、重力だけらしいんですよ。

高城:(別の3次元にいるもうひとりと)ぼくらは実際にはコミュニケートできてないけれども、重力そのものはコミュニケーションできると?

喜多見:重力は行き来しているらしいんですよ。だから5次元とのコンタクトも、結局、重力を介してしか、できないらしい!

高城:トマス・ピンチョン(※ニュヨーク州生まれの前衛作家。著書に「重力の虹」国書刊行会刊・絶版など)みたいな話ですね。

喜多見:そうですね。重力というのは結局、粒子の波動ですので、そういう理論なんですね。それがさっきの話にどうつながるかというと、2012年に、たとえばこれはほんの序の口に等しいというか、まだ始まりの始まりに等しいと思うんですよ。ただここ(5次元の数学的証明)が突破されたということは、今、いろいろな物理学者がこの数式を、1行のすごいシンプルな数式なんですけれども、その数式をもとに世界を解こうとしているわけです!!

高城:ということは、この博士は次のアインシュタインになる可能性があるということですね?!

喜多見:なっちゃうんです!! 絶対的に!! なっちゃうと思いますよ!! そういう世界がどんどん進展していくと、あと6年ぐらいのところで (2012年) 、世界観がまったく変わってしまう。わたしは「言葉の定義」も変わっちゃうと思うんですよ。言葉の定義が変わるということは世界が変わるということですから、大変な世界の転換というか、昔、地動説から天動説になったような、あれのもっと激しいやつ。

高城:言葉の定義が変わるってどういう意味ですか?

喜多見:たとえば、宇宙とか、ビッグバンとか、ビッグバン自体も全然、宇宙の始まり(全世界の始まり)と今、認識されていますけど、そうじゃない可能性が高いらしいんですよ。膜と膜がぶつかったときに、ビッグバン現象が起こるらしいんです。ということは、始まりでもなくて。科学用語ひとつにとっても、「宇宙」とか、「ビッグバン」という言葉の定義も変わるし、(「生きる」「死ぬ」「世界」など、わたしたちに身近な言葉が意味する内容も)わたしたちの日常のなかで、変わりますよ!

高城:変わりますね!

喜多見:3次元だけじゃないんだと。

高城:本当ですね。まったく変わりますね。

喜多見:まったく変わります!

高城:いわゆる5次元が、科学的に証明できた、という本ですよね?

喜多見:そうです、そうです!

高城:そんなことは今までなかったわけですから・・・

喜多見:なかった、ぼくだって全然そんなこと知らなかった。NHK でたまたま番組をやっていて、たまたま見たんですよ。

高城:とんでもない本じゃないですか!

喜多見:とんでもない本なんですよ! これを、なんでみんなはもっと騒がないんだろうか? と思っているんですけど。

高城:なんで騒がないんですか? 知らないということですか?

喜多見:まだ知らないだけだと思います。

高城:この日本語版は出るんでしょうか?

喜多見:出るらしいです。版権を取りに行ったらもうなかったですから。

高城:じゃあ、もう出るんですね。

喜多見:出るらしいです。たぶん大手さん(出版社)だと思いますけど。

高城:これはすごいですね!

喜多見:大変なものです!

高城:価値観そのものが変わりますよね!

喜多見:もう、ガラリと変わりますよ!

高城:人間の在り方というか、存在そのものが変わりますよね!

喜多見:そう思います。

高城:時間も全部変わりますよね!

喜多見:変わります! カウチでポテトチップを食ってる場合じゃないと、そういう感じです。

高城:すみません(笑)。本当ですね。これはすごいです。きょう、パワースポットからすごい話になりましたが。パワースポットということに、もう一回戻すと、たとえば5次元、われわれが実際に目で見ることができない、もうひとつどこかにあるものとの関係性が、非常に近かったり、強いところがパワースポットと言い換えてもいいんでしょうか?

喜多見:おっしゃる通りです、そう思います。その関係性がまだ充分に分かってないので、あれなんですけれども、たぶん常に上位の次元が下位の次元に、なにがしか影響しているんだと思うんですよ。

高城:上位というのは5次元のことですね?

喜多見:そうです。5次元なら5次元。5次元が3次元に影響を与える。

高城:どんな影響を与えているんでしょうか?

喜多見:それがよく分からない。これは仮説で、証明されているわけでもないし、ランドール博士が言っているわけでもないんですけれども、ぼくらの頭でいろいろ考えている「意識」ってすごく不思議じゃないですか? 心理とか意識とかいうのは。それがなんなのかと思うわけですけれど、古くからの知識では、それは「微細なもの」だといっていることが多くて、その微細なものということ自体、もしかしたらですよ、次元がもうひとつ上の次元のことなのかもしれないと。ぼくらは考えることはできるけれども、これがわたしの考えですって3次元的に、ここに出すことはできない。もし意識が「上位の次元」だとすると、5次元がもしかしたら意識世界となにか関連性があって、それがぼくらの3次元の生活に影響を与えているのかもしれない。

高城:それはすごいことですよね?!

喜多見:もしそれがそうなっちゃったら(証明されたら)、もうものすごいことですよね。

高城:そうですよね。5次元のおのおのの関係性もぜんぶあるでしょうから。

喜多見:そうでしょうね。

高城:それが本当に物理学というか、数式で分かってきたら、これはわれわれの世界が一変しますね!

喜多見:一変します! よくポジティブ・シンキングで人生はもっと好転する、とかいう話がありますよね。あれの、もっとすごい版ですよね!

高城:これはすごい話ですね、きょうは!!

喜多見:もう世界そのものが、ガラガラッと変わってしまうという。

高城:でもこのリサ・ランドール博士のこの数式によって、もう道筋は見えてきているわけですよね?

喜多見:だと思いますね。

高城:喜多見さん、ずばり、この世界がもうちょっと分かって、10年たって本当に分かってきたら、この世はどのように変わると思いますか?

喜多見:たとえば、すごい卑近な話で、人にいじわるをしなくなるとか、戦争をしてどうなるの? みたいなことになるとか、そういうふうな、いい方に世界が転んでいくといいですよね。

高城:ただ悪いことも言えますよね。そこを悪用していこう、という作用も生まれるんではないですか?

喜多見:いわゆる、生命操作とか、そっちの方の流れって、やっぱりありますね。科学的にそれを利用しようとか、そういうことは起こってくるかもしれませんね。

高城:ということは、パワースポットみたいな場所は、新しくわれわれが行く次の世界、5次元というものが、物理的に分かってきているので、そこに行くひとつの「入り口」ということですよね?

喜多見:そうかもしれませんね。重力があまりにも固まっちゃうと、ブラックホールみたいなのができるという話があるじゃないですか? そういうのに結構近いところがあるのかもしれません。

高城:ということは、われわれは今のうちに、そこに行って浄化するとか、修行をしておいた方がいいということですね?

喜多見:そうそう。この大きな変化を乗りきるためのチャージをする、みたいな意味もあるかもしれませんね。

高城:じゃあ、パワースポットをみんな見つけて行かないと!

喜多見:みんなで遊びに行きましょう!!

高城:もうここ数年の間に、楽しんで遊びに行こうということですね。まずはそこからですね。

喜多見:そうです。

高城:最後に、こうやってパワースポットを、いろいろな方がきょう聞いて、さっそく行かなきゃということを思っていらっしゃると思うんですよ。喜多見さん、『日本のパワースポット』という本を今、作っていらっしゃるとお聞きしたんですけど、これはいつごろ出るんでしょうか?

喜多見:これは今、編集にすごく難儀していまして、情報を集めるのに苦労してまして、2007年、来年には出るでしょう。

高城:来年、結構長い・・・。先に教えてくださいよ!

喜多見:分かったらメールを投げますね(笑)。

高城:じゃあ、楽しみにして・・・。

喜多見:ありがとうございました!



※敬称略。この原稿は東京のFMラジオ局J−WAVEの「NISSAN CANDY BANDY」(毎週土曜日18:00−18:54)の2006年8月19日放送分をテキストに起こしたものです。J−WAVEさんと高城剛氏のご好意により掲載するものです。J−WAVEさんのサイトでは、ストリーミングもお聴きいただけます(2006年9月現在)。バックナンバーからお探しください(喜多見)。

J-WAVE「CANDY BANDY」





高城 剛(たかしろ・つよし)

1964年葛飾柴又生まれ。日大芸術学部卒業後、メディアを越えた仕事を手がけるハイパーメディア・クリエイターとして活躍。六本木ヒルズのCMやルイヴィトンのアニメーションなどの映像や、ナイキ・エアマックス、ソニーAIBOなど話題の商品の立ち上げを数多く手がける。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般に渡って活躍。情報家電メーカーから金融まで、あらゆる業種業態をクライアントに持つ。また、総務省情報通信審議会専門委員や、近年の沖縄ブームをはじめ、数多くの国家プロジェクトの総合プロデューサーとして活躍し、東映アニメーションやソニークリエイティブセンターなど、数十社の顧問を務める。自身も数多くのメディアに登場し、パナソニック、ヴォーダフォン、ヴァージン・アトランティックなどの広告に出演。近年はDJとしても国際的に活躍し、近作は2005年英国ベストトラック「Most Preciousu Love/Blaze」のリミックスをNYのKingStSoundからリリース。他に「HyperRainbowDVD」(ユニヴァーサル/DefJam)などがある。著書に「デジタル日本人」(講談社刊)他。







喜多見 龍一(きたみ・りゅういち)

ヴォイス主幹。30代の頃のセミナー・フリークが数十年経って、こうなりまひた・・・。その頃はまだ、セラピーや自己成長セミナーは、みな米国の超・輸入超過だった。トレーナーはすべて外国人。ごくまれに日本人。過激なセミナーが多かった。火渡りとか、過呼吸とか。そうだ、どんどんいけえ、という青年も、時の流れには勝てず、いまは少しメタボリックなおじさんになりました。でも、なんとかヴォイスに関わってくださる皆さんに、ほんの1ミリでも、自己成長のたしになるコンテンツを提供しようと日夜がんばっています。わたしのワクワクの源泉(ソース)は、会社、子どもたち、30年前に買ったGIBSON ES−335。






 >  喜多見龍一の読むワークショップ ウェブ版