【2002年9月号】こういう暮らしをしてみたい

2002年 9月号

こういう暮らしをしてみたい

 『こういう暮らしをしてみたい』
を「第二の人生」で定年前にスタートする。
古くからの友人の高橋徹さんの新刊がホヤホヤで私の机の上に来た。「ワクワク・セカンドライフ」。高橋氏のまったくの新境地で読みやすい(失礼....)。40代でいまの人生を徐々に手仕舞って(全部やりきって)、普通よりだいぶ早い52歳位から新しい人生をはじめようというアジテーション(魅力的提案)本だ。私はちょうど52なのでリアルな話題でもある。日本の会社の定年システムは中国の還暦の概念から来ているらしく、人の生活からの視点だと中途半端だし、個人に役立たない。60歳65歳では、遅い。とても遅い。それからの第二の人生は、男の平均寿命78歳、女性84歳とすると、せいぜい動けるのは10数年しかない。(そうすると、おっつけ、付録みたいになっちゃう)でも、若いときはそんなこと、考えもしないからね。30代、40代も前半は考えないかな。だいたい、50代になって、さあどうしよう、って。しかし52歳から第二の人生を始めると、少なくとも20年はあって、なにがしかの成果も出せそうに思えてくる。
通常、私たちがリタイアメントというと、アメリカ型の、一生分の金額を30代で稼いでしまって、南の島へ行って海辺でカクテルを啜りながら寝そべる、というイメージがある。確かにそれはそれでワクワクするが、そうするためには、それまでに先の分を稼いでおかなければならない、というふうに頭が働く。と、必定、遅くなる。ずっと遅くなる。もしかすると、一生稼ぎ切らないかもしれない・・・ (^^; 。それによく考えてみると、なんか本末転倒かも。しかし高橋氏が言っているのは、こうした類のセカンド・ライフではない。なんというか、お金を軸にした生活、お金を稼ぐために働く人生から、軸足がちょっと他の部分に移ったセカンドライフ。人間には、人のためになりたい、という由緒深い「観音願望」がある。もしかしたら、次のステージでも生きるためのお金を稼いでいるのかもしれないんだけれど、それでも最初の人生とは、違う。それは、より自然と一緒に生きる生き方だったり、人ともっと触れ合う時間がゆったりとある生き方だったり、文化やコミュニティや芸術や学問や、人の役に立つことを喜びとする人生だ。きっと、いまほどストレスにならない生き方なのかも。「スローライフ」っていうやつですかね。生活のランクは下がるのかもしれないけれど、クォリティ・オブ・ライフ(豊かさ)は逆に上がっているかもしれない。いや、たぶん上がる。いままでやったことがなくて、『いつか、こういうことして暮らしたいよなあー』と思っていた人生へ。なんか、とってもアジテートされるよねえ、この言葉・・・。さあ「時間の扉」を開けて、40代で宿題をあらかた済ませてしまって、どうです? あなたも。ええかもなあー、ほんまに・・・。
  喜多見 龍一


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