【2013年03月号】アサラのワン・コマンドは、なぜワークするのか?  実際にやってみた

アサラのワン・コマンドがめっぽう面白い。いま個人的に、はまっている。一番最初にワン・コマンドのことを聞いたのはチャンパックさんからだった(感謝!)。しかし私はこの世界が長く変に耳年増なところもあって、(脳波の)シータ波を使った実現法、と知ったときの最初の反応は、それほどでもなかった(失礼・・・)。

しかしアサラやチャンパックさんと、この2月に本とDVDをつくるために3日間いっしょにいて、そのバックグラウンドに納得し、実際に自分で帰りの電車のなかでコマンドしてみたら、翌日見事にそれが実現。「まいったな、シンプルなのにすごいじゃん、これ!!」と今更ながら見直した。世界がしゅるしゅるしゅると、そのコマンド方向に調整されていく感覚なのだ。

ワン・コマンドのすごさは、1)(慣れてくるとプロセスが)非常にシンプルである。2)実現までの過程を天に任せるシステムが秀逸。3)お願い、ではなくて「コマンド」(指示)、という考え方が、現実創造の真の姿を表している。4)たった一回しかコマンドしない(する必要がない)のが超絶。5)コマンドのゴール、到達点も自由に(良い方向に)変わってもいいという大陸的太っ腹。6)ワン・コマンド自体が知性をもつ生き物のようで、自分と世界との間に働いている「システム」を知る良い入り口になる、などである。

慣れるまでは、レベルに入るプロセスを6つに分けてアサラは解説している。それは多分にNLP的なプロセスでもあって、アサラに聞いてみるとやはり比較的初期にNLPを学んでいた。非常にアクティブなアサラはぜんぜんそうは見えないが、比較的ご高齢で、彼女の探求の歴史は長い。ヒーリングからNLP、シータ波脳波研究まで、長い探求の歴史がワン・コマンドのなかに凝縮されている。いきなりポッとワン・コマンドに行ったわけじゃない。

DVDでも、この6ステップを詳細に解説。このDVDは約2時間ちょっとだが、ワン・コマンドをかなりコンパクトに、必要なところをもらすことなく、実にうまく表現している。二冊目の本は、いままで書いていないところをつっこんで深化させ、かゆいところに手が届くように疑問に答えていて秀逸である。とにかく簡単に知りたいというひとには、何度も観ては実際に自分でやってみることができる、このDVDだけでもかなりいける。出来はかなりいいと思う。

ワン・コマンドのレベルに入るための6ステップだが、アサラを観察していると、時々、チャチャと自分でもコマンドしているのが観てとれる。でも、チョー高速。せいぜい3秒くらい。ちょっと顔を横に向けて一瞬目をつぶるだけ。どういうふうにコマンドしてるのよ?と聞いてみたら、「そうなってます」終わり・・・と。「そう」の部分は自分の頭の中ではなにを意味しているのか当然知っているが、いちいち言葉にはしていない。そして目をつぶっている1〜2秒の間に眼球をチャチャッと上に向けている。そのまま目を開けるとけっこう怖いけど(白目だから・・・)、別にひとに見せるわけじゃないので構わない。眼の玉をグイッと上に向けることで、半自動的に脳波をシータ波に誘導している。

この眼球を上に動かすという方法はNLP的(アンカリング)でもあるが、実際に夢を見ているとき(レム睡眠時)も眼球は頻繁に動いている。そもそも人は眼をつぶっただけで自動反応として眼球はまぶたの裏で上を向く。そしてレムのときには、実は「眼球運動自体が」夢を作り出している、という理論も発表されており、結構この部分がキーポイントなのだ。そしてレム睡眠時の脳波はシータ波。その身体の形を先につくることでシータ波誘導をシンプルだが確実におこなっている。

慣れてくるとアサラのようにいくつかのステップを、はしょることが可能になる。最後まで残るのは、1)眼球を上に向け、2)コマンドする、だけだ。コマンドの要点は、先程の特長の2番のところが必須。「それがどのようにかは分かりませんが」という部分。「それがどのような経緯で今実現しているのか私には分かりませんが、私は今○○を手に入れています。そして素晴らしい気分です。ありがとう」のようになる。文章の時制は常に現在形である。

あなたはワン・コマンドが、ビジュアライゼーションやアファメーションと近いように思うかもしれないが、かなり違う。なんというか、もっとドライな感じ。瞑想状態のような特別な意識状態に入らないとならない、ということもなく(グラウンディングは6ステップのなかにある)、アファメーションのように何度も何度も繰り返すことも必要ない。ある種、乾いていて実務的というか、現代的というか、忙しいひと向けというか。ビジネスパースンにも、使いやすいはず。

そしてなんといっても、その強い実現力が素晴らしい。なんでこんなに実現性が高いのか。いろいろな要素はあるかもしれないが、1)どのようにそれが実現したかは問わないことで、実現プロセス管理を神さま(世界)に丸投げしてしまうことで、自分はリラックスできる。2)世界中でいろんな国のいろんな人々が、ワン・コマンドで実にさまざまな結果を今も実現しまくっている状況があり、それが自分を後押ししてくれる。3)シータ波と現実創造の高い相関性、などかもしれない。特にアサラはこの2番のムーブメントを「生き物」と表現している。彼女は、「ワン・コマンドは生命をもったひとつの生き物のように思える」と語っている。

コマンド対象は、経済的豊かさだけでなく、心の豊かさ、温かく協力的な人間関係の実現、仕事の目標達成、さまざまな問題解決、技術習得、学習達成など多彩な対象に拡がっている。今日も世界のどこかで誰かが一回だけコマンドし、それを達成している。私自身もいまのところすべて実現。「信頼」がキーとなる感じだ。実にシンプルで、時間と手間がかからず結果が手に入り、ありがたいことこのうえない。

本質的には「世界全体が、実はあなた自身であるから」、努力なしに実現していくのだと思っている。

※「ワン・コマンド」は邦題では、シータ・コマンド。

喜多見 龍一


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