【2004年7月号】感情を制御すると頭がよくなる。 「感情的知性」にフォーカスしよう。

2004年 7月号

感情を制御すると頭がよくなる。
「感情的知性」にフォーカスしよう。


 以前から「映画を観ないとバカになる」と言いつづけてきた。穏やかに言うと、映画を観ると頭がよくなると。映画は、だいたいカタルシスが起こるようにできている。感情的にグワーンと持ち上げてストンと落とす(ニュートラルに戻す)カタルシス。それが起きた後は、なにか頭がよくなったよーな気がする。気がするだけか、ほんとにそうかは定かでないが、実はおりこうになると信じて疑わない。
つまり感情がある一定の癒しの状態に至ると、知性(たぶん、どちらかというと言語能力というよりは直観や創造力などの活性化)を刺激するんだと思う。でもその前に必ず、感情が充分に高まっている必要があるんだけれど。社会的にあまり役に立たない知性の尺度IQ(断定ごめん・・・)に対して、感情的知性は「EQ」(Emotional Intelligence Quotient) と呼ばれ、注目されている。EQは人間力の大切な要素であり、EQが高いひとの方がビジネスでも当然成功する。というか、EQが高くないと成功しない・・・。しかしビジネスの分野でなくても、それがおよそ人間のいる場所であればどこでも、家庭でも友人関係でも、このEQは働く。EQを分解すると4つの局面がある。(1)自分自身の感情の把握と認識(2)自分自身の感情のマネージ(管理・演出)(3)相手の感情の把握と認識(4)相手の感情への効果的働きかけ。
感情と知性に関しては、身体的には「ハラ」が関係していると思う。胃とか腸のあたりの腹。実はここに第二の「脳」がある、と昔からいわれている。感情が自他ともにマネージできるようになると、ハラができるようになる。イコール人間力が高まる。
昔から、みなさん不思議じゃなかったですか。つまり成功するひとが必ずしも学力が高いわけではないので、別のパラメーターが働いているはずだが、そのパラメーターはなんだ?と。それが「感情的知性」です。こいつが高いか低いか、それがひとを分けている。
たとえば、一度でも職場で働いた経験のあるひとは、仕事というものは「感情」が邪魔をすることがあるし、また「感情」がひとを別人のように動かすこともあることに、賛同するだろう。感情はプラスにも、マイナスにも働く。しかもグイグイと力強く。これは感情が人間にとって「エンジン」や「機関車」として働くからだ。何度もいうように、グルジェフの図解、「馬車」と「ウマ」と「御者」の関係、つまり「感情」としてのウマに、「肉体」という馬車を引かせ、それを「知性」の御者が御する。このシステムで、一番制御がむずかしいのが「感情」であって、ビジネスで成功したひとはだいたいどんなひとでもこの感情をコントロールするのがうまい。感情を爆発させずに静かにコントロールしている、というだけではなく、それをスタッフや相手とのコミュニケーションのなかでも自然に巧みに活用している。よくできたお母さんも、子供に対して自然にこれをやっている。ほめるのも「感情」の一パターンです。上場会社の部長さんもお母さんも同じことをやっている。やっぱお母さんはすごい、という結論じゃなくて、「感情」は、すごい。もっと「感情」にフォーカスして日常を暮らしたい。
  喜多見 龍一


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