【アラン・ドラン】TAKE A DEEP BREATH

以下は一流誌「Sunday Times Style」に掲載されたアラン・ドランの記事です。「Sunday Times」は英国No.1新聞であり、雑誌「Sunday Times Style」は350万人の購読者がいます。

TAKE A DEEP BREATH

ターボチャージャー付の呼吸法は、あなたをハイにさせるでしょうか?
ステファニー・シーボルドが、最近流行している代替療法に挑戦したところ、ハマったそうです。

私は人生で2人の精神科医にかかったことがあります。最初の医師は、私が20代前半、私はパニック発作をおこし、双子の弟のように精神分裂症を発症すると思った時に、受診しました。3か月たってから、主治医は「もう大丈夫だから、もっと外出するよう」と促し、ラインダンスに興味がないかと薦めました。

そして最近、また私はストレスを感じ始め、他の精神科医を訪問するのが得策だと考えました。この医師は、身の毛のよだつような、つま先が丸い靴をはき、私が何か衝撃的な事を話した時には、ギョッとした表情をする習慣がありました。私は、(治療費である)1週間50£(約7500円)でどれぐらいのLindtチョコレートとラム肉が購入できるかを考えて、相当の時間を費やしました。

このことから、私がターボセラピー(TT)について知った時、どれほど嬉しかったかを想像してみてください。これは実際は(正式には)、トランスフォーメーショナル・ ブレス(以下TB)と呼ばれています。ある精神科医は「自分が2年間かける治療を、TBでは2時間で達成することができる」と、グレート・ブリテン島(イギリス)のトップ・セラピストである、アラン・ドランに話したそうで、アランはこれをTTと呼んでいます。

TBは30年前にカリフォルニアで、きらきら輝くスモッグ姿のジュディス・クラヴィッツ博士とゴールディ・ホーン(※注:ハリウッド女優、ケイト・ハドソンの母親であり、自身もハリウッド女優です)によって開発され、ディーパック・チョプラも長年ひいきにしていました。そして、今これは、代替療法を探求している人達の中で人気が高まっており、求める人の数の増加は勢いが止まりません。
最近の報告では、この市場は2年間で18%も跳ね上がり、現在年間213ミリオン£(約320億円)に達していると言われています。

TBの魅力の一つは、自分で簡単に行うことが出来る点です。ドランはこう語ります。
「TBは、あなたが回復するために、治療医に頼るものではありません。あなた自身の健康に、自らが責任を持つというものです。」

基本は、短時間で大量の酸素を吸い込むと、あなたの心が恍惚状態になることで、あなたの感情や健康の問題に対処するのに役立つというものです。私はこれを、1年以上様々な代替療法を私に紹介してくれた、友人のヤスミンから聞きました。彼女は、「自身のTBセッションでは、ダース・ベイダーに見てもらった」と話しましたが、このことが私の懸念を深めたワケではありません。そもそも、私は代替療法全般に対して、疑念を抱いていました。これまで、私はレイキ、催眠、脳仙髄療法、ヒマラヤ小太鼓をバックに超自然的マッサージなどを試したけれど、何一つ効果はなく、毎回敗者のような感覚を感じていました。

けれど、私は(TBに)挑戦することを決心しました。
すると、またいつものように、民族柄のクッションのあるソファーにグイっと引き上げられる自分の姿を想像していました。
ドランは、私のお腹に風船があるつもりで、口から息を吸うように伝えました。彼は私の上で、いくつか言葉を発しました。私は口が乾いているのを感じていると、突然、私は、柔らかく黒い火山の中に落ち、保身に走る年老いたドクターのように、ずるずる滑り落ちていきました。強い興奮した感情が、波のように私の身体を通過していくと、私は泣きながら、笑っていました。

身体的にも不思議な現象が起こりました。私の腕と足には、大きな重りがのしかかっているようで、手はKenny Everettが、Brother Lee Loveの番組の中でつけていた、大きなポリエステル製の手のように、大きく肥大しているように感じました。
私が麻痺しているのではないかと、一瞬考えました。けれど、ドランが、長い“オーム”という音を複数回、深く、深く、出すように指示をだし、それを行うと私は元の世界へ再び戻って来ることができました。とは言うものの、完全には戻ってきてはいませんでした。私がソファーに横たわっているのを感じた時、私の一部は、暗い火山の中に残っていました。

そして、私はルルドの泉、ヒーリングのプールから出てきた後のように、気持ちよく感じました。私は妄想的な症状なくハイの状態を感じていました。そして皮膚の血色が良くなっていました(認知行動療法ではこれはありませんでした)。

私の一番の懸念は、「自分のワン・ベッドルームのボロアパートでは、あの“場所・状態”に戻ることができないのではないか?」という点でした。翌日午後に、自分の部屋に行き、目を閉じ、風船をイメージする呼吸法を、“バカげたことだ、ただ呼吸をしているだけなのに”と思いながら、再び試みたところ、すぐに腕がそわそわしている事を気付き、そして自分がネバーランドに居ることを体験していました。最初の経験と比較したら、それほどまで強力なことはありませんでした。最初の2回の、治療家(アラン)と共にしたセッションが、感情が押し寄せるという意味では、もっとも強力な体験でした。

友人に冗談で言うのですが、私は現在カルト集団に入って3か月たちます。これを行うのはたったの15分間です。朝のちょっと幻覚を起こさせる体験で、私の残りの一日は、心を研ぎ澄まし過ごすことが出来ます。身体的な側面としては、私はエネルギーが高まり、冬場の恒例の月1回は風邪をひくことがなくなりました。「私の細胞が毎日最大量の酸素を供給している」という事実をアランから聞きました。ヨガをする時、クラスの最後でも以前は心があちこちに散乱していましたが、これもだいぶ変化しました。

ロンドンのセッションに勇気づけられ、私はドランがランザローテ島(スペイン)で開催している、休日のブレスワークの1つに参加しました。毎日1.5時間の呼吸セッションを含む、カリキュラムの効果は思っていた以上でした。合法のアヘン吸引所と考えてみてください(TBは麻薬中毒の治療を頻繁にすることが出来るのですが)。
私は4日目に、昔双子の弟と子宮を共有していた時の事を思い出したということを体験しましたが、その事を友達に話す事は辞めました。なぜなら、この類のことは、人々に奇妙がらせるからです。けれど言えるのは、TBを受ける事は、悪い靴の趣味をもつ、ラインダンスの精神科医と1か月間会話するよりも、ずっとパワフルな経験でした、ということです。