クライアント全面協力のもと、芸術的な催眠の映像公開が実現!

トーマス・コンドンの「エリクソン催眠公開個人セッション」《DVD》(読者特典の配布は終了しました)

6,380円 (税込/本体価格 5,800円) ラベル非表示 - カート有り
64 ポイント獲得
ISBNコード 978-4-89976-271-3
著者 トーマス・コンドン
訳者 島田真喜子
発行日 2011-04-12
その他 DVD165分

★トーマスコンドン自身によるセッションの詳細解説の冊子を同梱、DVDを見て、冊子を読んで、より深く学べます。

★ご購入の方に、トーマス・コンドン監修「エニアグラム・9つの性格スタイル」PDFファイルをプレゼント。くわしくは同梱冊子を。

VOICE主幹 喜多見龍一

自然に普通に催眠に入ってしまう。トーマス・コンドンの芸術的プロセス

本DVDに収録されているようなエリクソニアン催眠の映像は、世の中に研究用のものくらいしか存在しません。今回こうして皆さまの学びの助けになるDVDが製作できたのも、実クライアントの皆さまの献身的なご協力のたまものであって、このおふたりに深く感謝したい(収録のケースはリアルなケース)。コンドン氏とクライアントとの事前打ち合わせは一切ありません。しかしコンドン氏は欧州各国や本国米国にて、日常的に相当数のクライアントとセッションしてきた方であって、聞いてみると、クライアントがいらっしゃると本人は自動的に「あるレベル」に入るような身体になっているのだという。どんなスキルを使っているのか聞いても、あまり覚えていないと。セッション中はほとんど「変性意識」状態だと言っています。つまり、今はこれ、次にこの技法でという論理的思考ではないようです。それらはコンドン氏のなかで、ある種「自動化」されており、職人が自然に身体が動いてしまう、というのに近い。

スキル的には、コンドン氏によると、クライアントのオブザベーション(観察)には「エニアグラム」を。セッション中のスキルには「NLP」と「エリクソニアン催眠」を使っています。しかし、ご覧になって皆さんはたぶん、『あれっ、これのどこに催眠が使われてるの?』と思われたかもしれません。印象としては、普通にクライアントとお話しているだけのようにも見えます。しかしコンドン氏によると、これで充分相手は催眠に入っているのだと言います。エリクソン本人の場合、聞こえてくる偉人としての噂などから、部屋に入ってくるときにはクライアントはすでにトランスに入っていた、と言われています。いわゆる古典的催眠のイメージはここには一切ありません。

最初のクライアントの場合、コンドン氏の姿勢は脚を組み椅子に浅く腰掛けるなどかなりリラックスした姿勢をしています。私はこれを「この姿勢はいかがなものか?」と本人に申し上げたら、「それは意図的にやっているもので、クライアントを緊張からリラックスへ誘うため」とおっしゃっています。このDVDで見えること、聞こえることのほとんどは「意図的に」なされています(頭では考えていませんが)。ふたりめのクライアント(抜毛癖)との開始直後に頻繁に髪に手を触れるのもラポールのため。このように、細かく観ていくと、いろいろな部分にコンドン氏の意図が隠されています。

コンドン氏はエリクソン本人の長女との掛け合いによる芸術的ともいえる「メタファー(比喩)のCD」(英語のみ)もあり、ひとはどういうときにトランスに入るのかを深く理解している「セッションの名手」といっていいでしょう。私の経験では、うまいひとほど、普通に、自然にしか見えないのです。

エリクソン催眠とは?

 “エリクソン催眠”は、呪術的(「あなたはこれから眠くなる」など)な技法や儀式を行わず、普通の会話のなかで自由に催眠を誘導します。いわば、クライアント個人を尊重して、本人の内なる力を引き出すという手法です。指示的なコミュニケーションをとらずに、間接的な言い回しを用いてクライアントの変容を導きます。古典的なアプローチでの催眠が、トランスに誘導できない人も存在するとみなされているのに対し、エリクソン催眠はすべての人をトランスに導くことができるといわれています。

この催眠手法は、偉大な心理療法家ミルトン・H・エリクソンによって、クライアントの心理的抵抗をなくすことを目的として考案されました。彼のもとを訪れたセラピストたちは、劇的な変化を目の当たりにし、「クライアントは芝居をしている!」と怒ったといいます。また、クライアントの人生の脚本を書き換えるストーリーやたとえ話を織り交ぜて行われる、彼の独特なセラピーはあまりに奇想天外で美しかったため、“魔法”や“奇術”などと形容されました。

エリクソン催眠を受けることで変化や成長が促され、それによって新たな選択肢が広がったり、自身の制限や問題を乗り越えられるようになります。そして、人生がより統合されたものになっていきます。

貴重なセッションの様子を、目と耳で学べるチャンス

トーマス・コンドン氏はこの素晴らしいメソッドを習得し、世界各地であまたのセラピーを行ってきました。体系的なエリクソン催眠を教える点で“世界屈指のトレーナー”と称されており、エリクソンの長女キャロルと「催眠オーディオCD」を制作して12万枚以上を売り上げるなど、実績は折り紙つき。そんな彼が日本で行った公開セッションの様子が、映像作品として発売されます。

通常、こうしたセッションでは個人的な悩みや問題が語られるため、リアルな内容を映像提供することは難しいものです。しかし今回はクライアントの全面協力のもと、販売が実現。家族の問題に悩み、仕事場でも日々根拠のない不安に悩まされる介護士の女性と思春期のころからの抜毛癖にずっと悩んできた主婦が、セッションによって癒されていく一部始終が収められています。いずれのセッションも、クライアントの心のひだに繊細に働きかけた、大変見応えのある内容です。また、各セッションの終わりには、観客とコンドン氏の間で行われた質疑応答も収録しています。

この映像があれば、エリクソン催眠を使ってどんな問題をどのように解決できるのかが、手に取るように理解できます。催眠を学ぼうとする人にとって、本DVDはこの上ない教材となること間違いありません。

【セッションで行なわれたコンドン氏の絶妙なテクニックの例】

  • クライアントの背景にある文化を話題にし、ラポール(信頼関係)を構築する
  • メタファー(比喩表現)によってトランスをコントロールする
  • メタファーを用いて、クライアントが無意識のうちにとっている思考パターンを本人に自覚させたり、
       新たな考え方を促したりする
  • クライアントの話した内容を繰り返して話しつつ、補足も行う〈ペーシング〉
  • クライアントが嵌まっているパターンについて解説する〈エニアグラム/ティーチング〉
  • 空想のストーリーにクライアントを引き込む〈ファンタジー・ジャーニー〉
  • 視線をそらすことで、クライアントの感覚を呼び覚ます〈内部対話〉
  • あえて遠回しな表現を使って、クライアントに届けたい言葉を伝える〈ミルトンモデル〉
  • 「抱えている問題がなくなったら人生をどう感じるか」といった、ゴールをイメージさせる質問をし、
        クライアントが心を開くよう促す
  • ジェスチャーを受けて、掘り下げるためにさらなるジェスチャーをさせる〈ゲシュタルトテクニック〉
  • 沈黙によって、クライアントのトランスを解く

トーマス・コンドン<プロフィール>

「変容のスペシャリスト」として名高い、国際的トレーナー、コンサルタント、著述家。Changeworks代表。エリクソン催眠のほか、エニアグラム(人格を9つのパターンに分け、セラピーやビジネス等に役立てる分析システム)、NLP(神経言語プログラミング)にも造詣が深く、この三分野を組み合わせたセラピーを20年以上にわたって人々に提供し続けている。これまで米国をはじめヨーロッパ、アジアなど世界各地で教えを授けており、ワークショップの数は累計800回以上に及ぶ。

1977〜79年にはNLPワークショップの第一回生として、リチャード・バンドラー&ジョン・グリンダー(NLP創始者)に師事。のちに彼らの著書『魔術の構造』の監訳を担当した。

その他、映像や本など、手がけた作品は50以上にのぼる。なかでもミルトン・エリクソンの長女キャロル・エリクソンと共同制作した「催眠オーディオCD」シリーズは、12万枚以上を売り上げ、数百の企業・病院・軍機関が団体購入したというクオリティを誇る。

エニアグラム学会の研究メンバーとして現代エニアグラムの世界標準制作に関与するほか、アンティオク大学、カリフォルニア大学バークレー校の補助教員も務める。

●ミルトン・H・エリクソンについて

天才的な催眠療法家として知られる精神科医、心理学者。アメリカ臨床催眠学会を創始し、初代会長をつとめた。精神療法にしばしば斬新な手法を用いたことで知られる。

ポリオや色覚異常など、若くして重篤な身体障害に悩まされ、特にポリオでは17歳のときに全身麻痺を経験。その大きな制限を加えられた生活の中で行った周囲に対する観察や、友人たちへ物語を好んで語ったことが、のちの大成へと彼を導くこととなる。晩年は催眠の臨床性・実践性の向上のため、世界各地で精力的にワークショップを開催した。

クライアントごとに異なるアプローチをすべきという信念から、自らは技法の体系化は好まなかったが、エリクソンの影響を受けた弟子や共同研究者たちは、それぞれ独自の治療技法を構築し、総称して「短期療法」と呼ばれる一派を形成した。とくに家族療法への影響は大きく、グレゴリー・ベイトソンのダブル・バインド理論は彼あってのものである。また、NLPの開発には、エリクソンの用いたテクニックが関与している。