豊かさは「自己成長」に比例する!

「マネーセラピー」著者インタビュー

マネー・セラピービジョン心理学マスタートレーナー・栗原弘美さんとファイナンシャルプランナーの鷹野えみ子さんによる共著、「マネーセラピー」(8月下旬発売)のテーマは、ズバリ「お金」。本書では、栗原さんと鷹野さんがセミナーやカウンセリングで行なっているエクササイズや心理ゲームに加え、お二人が現場で培ってきたケーススタディがたっぷり実例として挙げられています。多くの方が、「お金のことは、ちょっと苦手……。でも、豊かに、幸せになりたい!」と思っているはず。本書を読み進めていくうちに、お金とのつき合い方を見直し、お金に対して自信を持つことができます。そして、本当の意味での豊かさに気づくことでしょう。
著者の栗原さん&鷹野さんのお金のつき合い方、本書の活用方法などをうかがいました!

お金への「不安」を「自信」に変える
本当の意味での「豊かさ」を手に入れる生き方

−−書籍「マネーセラピー」は“お金”がテーマ。とても難しい題材に挑戦されましたね。

栗原:でも、面白かったですよ。ふたりで、とても楽しんで書くことができました。多くの方が、「お金は大切で、ないと困るけど、愛や幸せはお金では手に入らない……」といった、ふたつの矛盾した価値観で揺れ動いていると思います。本書を通して、お金への態度を見直し、お金と素晴らしい関係を築いてくださったらうれしいですね。

−−栗原さんご自身は、どのようなお金とのつき合い方をされていたのですか?

栗原:本にも書いてありますように、お金にはあまり興味がないというか、鷹野のようには扱ってこなかったんです。ただ、15年前に、飢餓を終わらせるための非営利団体ハンガーフリーワールドの理事をやるようになってから、お金と心の関係、お金と人間の関係というものをすごく意識しはじめました。というのも、「寄付をお願いします」と言ったときに、いろいろな反応があるんですよ。「何があっても出したくない」という人もいれば、「寄付をしたいんだけど、奥さんの機嫌が気になる」とか、みなさん違うんですよね。それがすごく興味深くて、お金って、その人の、普段見えない部分が出てくるな、と思ったんです。

−−さらに、鷹野さんとの出会いが、お金の扱い方に意識を向けるようになったそうですね。

栗原:鷹野は、お金に対してすごくクリーンな人なんですよ。彼女と出会ったときは、こんなにお金を避けないで、きちんと扱える人がいるんだ、と感心したものです。

−−本書の文面からも、栗原さんが鷹野さんに一目置いていらっしゃるようすが伝わってきますね。

栗原:一目も二目も置いています。この人がいれば大丈夫! と思える安心感がすごくありますね。

鷹野:そして、ついたあだ名が“金庫番”(笑)。

栗原:私が鷹野を信頼しているのは、ただのケチではないところ。食費を我が家の何分の1でやりくりする一方で、結婚式には豪華な着物を着てくるし、寄付や贈り物は気前よくするんです。

−−そんな鷹野さんの“お金の達人”ぶりは、いつから発揮されていたのでしょうか?

鷹野:私は、心理学をはじめてから、いろんな分野において「自信」を取り戻してきました。ですが、お金の分野に関しては、自分でも不思議に思うんですけど、最初からまったく不安材料がなかったんですよね。お金というよりも、とても数字が好きなんですね(笑)。現職に就く前から、「鷹野さんは、お金のことが得意だから」と、よく相談にのっていました。それは、小さいとき母親に言われたことが、非常に影響しているんだと思うんです。お手伝いをしてもらったお金を、グラフにしたり、遊び感覚でお金と接する環境でしたからね。
 栗原もすごく数字は強いんですよ、しかも後ろに「人」とつくとさらに強くなる(笑)。ただ、私の場合は数字と慣れ親しんできた経緯も、お金を怖いと思わない理由なのかもしれません。

−−銀行や会計事務所に勤務されていたのですよね?

鷹野:銀行に勤めていたときに、億単位のお金を見慣れていたのでお金に対する免疫力がついたのかもしれません。お札を1億円ぶん束ねたときの厚みって、結構薄いものなんですよ。

栗原:でも、たとえ、お札の厚みを感じたとしても、それをリアルに感じることって不可能なんじゃないかなと思いますね。お金って、考えれば考えるほど、触れることができない、つかみどころのない存在……。

鷹野:本のなかには、お金をリアルを感じていただけるエクササイズがたくさん登場しますよ。たとえば、「株価チャート」は、相手への気持ちの変動をチャートにするだけではなく、そこに値段をつけていくんですよ。

栗原:どうせ書くなら、値段を入れた方が、みなさんリアルに考えられると思ってつくったエクササイズなんです。

お金は、貯めるより使って
自分の好きなことを思う存分にできる人生を!

−−お二人には、共通点も多いそうですね。

栗原:お金に関しては、貯めるより使うのが好きですね。それから、二人とも、親に「勉強だけしていろ」とは言われませんでしたね。

鷹野:あと、親の職歴も似ています。母親が、ふたりとも保険会社に勤めていて、父親が自営業。うちは失敗して、結局はサラリーマンになりましたけどね。

栗原:うちも1回不渡りを出して失敗しました。でも、サラリーマンの家庭育ちじゃないので、たとえ勤めていても、経営者側からものを見るオーナーシップがあると思います。だから、被害者にならない。鷹野は、いつでも1円でも安くすることをすごく考えてくれるし、利益率を常に考える、経営者マインドがあるんですよね。本当にありがたいです。こういう人がいるというのは。

−−ファイナンシャルプランナーでもある鷹野さんの、お金と心の関係に着目したマネーカウンセリングが好評ですね!

鷹野:ファイナンシャルプランナーの仕事自体というのは、「何年後に住宅を買いたい」といった、相談へのライフプランを立てます。ですが、ファイナンシャルプランナーの勉強をしていたとき、そのかたの人生で何が起きているのか、その人の家族、バックグラウンドまで見て、計画をたてる必要があるのではないか、と思ったんです。そして、実際に人生設計をするという仕事を始めてみると、やはり、心のなかを見ないと、解決しない、達成できないということが、わかったんですよね。
 私は、ファイナンシャルプランナーの世界に、このカウンセリングマインドをもっともっと入れたいのです。

−−栗原さんは、鷹野さんのマネーカウンセリングを受けたことはありますか?

栗原:2回ほどやってもらったんですよ。私は、お金のことに自信がないし、すべて鷹野に任せっきり。
 長男が高校に入ったとき、3年間にかかる費用を全額通帳に入れて、そこから毎月引き落とされるようにしたんです。鷹野は、「ひと月単位では考えてないけど、1年単位で考えている」と、言うんです。家計簿も3カ月だけつけたら、それも褒めてくれる……私なりのお金とのつき合い方を認めてくれるんですよね。

−−本書のなかでも、「家計簿セラピー」と題したエクササイズが登場しますが、つける目的が大切と書かれていますよね。

鷹野:目的がしっかり見えていると、それだけで長続きしますしね。それに、ちょっとお金に対する意識を変えただけで、考え方や態度が変化するという感覚がありますよ。

−−最後に、お二人の考える「豊かさ」とは何でしょうか?

栗原:お金を貯めるだけの人であったり、見栄のために使ったり、楽しそうでなければ豊かとは言えないのではないでしょうか。たとえば、豪邸に住んでいても、家にいる暇がない、“時間貧乏”のような人。
 私の弟は、初任給が20万円だったんですけど、その20万円が「1カ月に1日働いて得られるようになればいいな」というビジョンを持ったんです。お金を稼ぐために忙しく働き、「葬式に行けないとか、人の結婚式に行けないとか、子供の運動会に行けないとか、そういう人生を生きたくない」とも言っていて、そのとおり時間に余裕のある生活を手に入れています。大人になってから留学を2年間するなんてひとも、すごく素敵。そんなふうに自分らしさを発揮できるスタンスこそ、私の豊かさの定義ですね。

鷹野:私も同感です。素晴らしい家族、職場に恵まれ、大好きな友人たちと自分の好きなことを思う存分にできる人生こそ、本当の意味での豊かさだと思います。


栗原弘美(くりはら・ひろみ)

ビジョンダイナミックス研究所代表。NPOこころのビタミン研究所代表理事。ビジョン心理学マスタートレーナー。日本人で初めてのビジョン心理学アドバンストレーナー。1980年より自己成長トレーニングの仕事に携わり、心理カウンセラー、トレーナーとして2万人以上の人と深く関わる。ビジョン心理学をわかりやすく教え、長年の経験に基づく具体的なカウンセリングやセミナーは、問題解決に至るまでの時間が短いと評判である。

鷹野えみ子(たかの・えみこ)

心理カウンセラー・ファイナンシャルプランナー。1994年から心理学を学び始める。銀行、会計事務所勤務の経験と心理学を統合し、こころとお金の関係に着目し独自のマネーカウンセリングを編み出す。人々が豊かな生活を送れるように、楽しくパワフルに援助するお金のセミナー・マネーカウンセリングには定評がある。栗原さんが、もっとも信頼を置く“お金の達人”。


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