私たちの未来、「こどもたち」を救え! 単なる医療百科をはるかに超えた、かつてない「読んで使える家庭と学校の心の実用百科」。

気づいて! こどもの心のSOS こどもの心の病全書

6,160円 (税込/本体価格 5,600円) 増刷・重版未定
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ISBNコード 978-4-89976-081-8
ページ 472
判型 四六判 ソフト
著者 星野仁彦
発行日 2006-07-30

●待望のディスオーダー大全、しかも読みやすくわかりやすい内容
「ディスオーダー」、日本語で訳すと「障害」とどうしてもなってしまいますが、英語を直訳すると「秩序がない状態」で、日本語の持つ強い病気的なイメージよりニュートラルです。ともあれ、日本のいまの小学校・中学校で日常的に起こっているさまざまな心の問題、問題行動道が「子どもたちのディスオーダー」であるならば、どういう行動・サインが多ければ、この名前のディスオーダーである可能性が高いか。どういう環境ならストレスが少なく暮らせるか、などを児童から思春期の子ども達を対象に、全障害リストとして一冊にした本。一家に一冊、ひとつの学校に一冊備えていただきたい真に価値のある本。著者はこの世界で圧倒的に信頼感の高い、ご自身もカミングアウトされている精神科医の星野先生。日常的に学校の先生と対策をお話しされている。豊富な臨床例を持つ先生でないと書けないビビッドでわかりやすい内容となっています。

●大切なのはサインを見逃さないことと適切なサポート
子どもたちはこんなサインを送ってきます。
「お母さん、おなかが痛いよ」
sos-1心と身体は一体なのです。心の不安が身体の症状となって現れることは、決してめずらしいことではありません。特に子どもは気持ちを言葉にして説明することが得意ではありません。この本はそのための知識を解説したものです。大切なのは、サインなのです。
子どもは、「お母さん、僕の心は今不安でいっぱいなんだ。どうしていいのかよくわからないことがいくつもあるんだ。どうして宿題を忘れてしまうのか。ちゃんとやった宿題を玄関に忘れたこともある。学校でもみんなに笑われる。最近はいじめられることだってある。このままではだめになってしまう。どうしていいかわからないよ。お母さん、助けて!」などとは言葉に出しません。この不安は、「お母さん、おなかが痛いよ」という症状となって出てくるのです。
サインを受け取ったとき、親や教師などは、その子どもにとって何が問題になっているのか、何が最善なのかを知り、適切に行動することが重要です。そうした際に取るべき行動、行うべき治療についても解説します。彼らが送るサインを見逃さないこと、これがこの本の最大の目的です。周囲が正しく理解し、適切に対処し、そして早期の治療を行えばよくなるということがきっとご理解いただけるでしょう。

<本書「まえがき」より>
幼稚園や保育園からの報告には、「じっとしていられない子ども、友だちと一緒に遊ぶことができない子どもは20%以上に達する」というものがあります。しかも、この数年でその比率は急増していると言います。そのうえ、まだ増加傾向は強まると考えられており、データによっては50%という数字も出ています。これはディスオーダーにレッテルを貼ることは無意味になるであろうことを示しています。
sos-2彼らのサインを的確に受け取り、適切なサポートを行い、社会でその能力を十分に発揮してもらうこと、社会に貢献する人材となるように育てることが求められているのです。そして何よりも、本人が、自分の人生を有意義に、すばらしいものとして過ごせるようになることが大切なのです。
ディスオーダーは決して悲観することではなく、周りのサポートがあれば、そしてその才能をうまく導くことができれば、すばらしい実績を残すこともできるのです。
ディスオーダーを抱えた多くの子どもたちが、不適応感を抱くことなく、自分の才能を伸ばして、より有意義な人生を歩んでいけること、それが今もっとも望まれることです。ささやかながら、本書がそのための一助となれば、なによりもの喜びです。

<本書収録ディスオーダー>
ご存知でしたか?  子どもたちの心の病、こんなにも…。しかしぜひ知っていただきたいのは「ディスオーダーが怖い」のではなく「サインに気づかず、対応を間違えることが怖い」のです。サインに注意し、適切な対応をすれば、エジソンやトム・クルーズのようにその才能を引き出すことだって可能なのです。本書がご両親や先生方のサインに注意するきっかけくだされば幸いです。

<発達障害>
◆知的障害(精神遅滞) ◆注意欠陥・多動性障害(ADHD) ◆学習障害(LD) ◆発達性言語障害 ◆心因性(環境因性)言語障害 ◆母性剥奪症候群 ◆広汎性発達障害 ◆低機能自閉症 (LFPDD) ◆高機能自閉症(HFPDD) ◆非定型自閉症(特定不能の広汎性発達障害) ◆レット障害 ◆ヘラー病(小児期崩壊性障害)

<不登校>
◆いじめによる不登校 ◆分離不安型不登校(学童期発症) ◆同一性障害(アイデンティティディ・スオーダー)による不登校 ◆家庭内暴力を伴う不登校 ◆長期間の引きこもりに至る不登校

<小児心身症>
◆ 過呼吸症候群(過換気症候群) ◆心因性発熱 ◆心因性嘔吐症 ◆過敏性腸症候群(IBS) ◆起立性調節障害(OD) ◆心因性視力障害 ◆心因性難聴 ◆アトピー性皮膚炎 ◆円形脱毛症 ◆小児ぜんそく ◆神経性(心因性)咳嗽 ◆遺尿症:夜尿症、昼間遺尿症 ◆遺糞症 ◆機能性頭痛(慢性頭痛) ◆片頭痛 ◆緊張型頭痛 ◆群発頭痛

<不安障害(神経症)>
◆ パニック障害(不安神経症) ◆全般性不安障害(不安神経症) ◆広場恐怖症・閉所恐怖症 ◆特定の恐怖症(単一恐怖) ◆社会不安障害(社会恐怖/SAD) ◆思春期妄想症(対人恐怖症) ◆醜貌恐怖(醜形恐怖) ◆自己臭恐怖 ◆強迫性障害(強迫神経症/OCD) ◆身体表現性障害(身体化障害) ◆心気症(心気神経症) ◆転換性障害(転換型ヒステリー) ◆解離性障害(解離型ヒステリー) ◆解離性同一性障害(多重人格) ◆解離性健忘(全生活史健忘) ◆解離性とん走 ◆離人症性障害(離人・現実感喪失症候群/DDS) ◆自己催眠後遺症(憑依状態、憑きもの状態)  ◆選択緘黙症(場面緘黙症) ◆心的外傷後ストレス障害(PTSD)

<気分障害・うつ病>
◆小児うつ病 ◆反応性うつ病(うつ状態) ◆仮面うつ病 ◆季節性感情障害(SAD) ◆青少年の自殺 ◆青少年の群発自殺

<習癖異常>
◆チック症(チック障害) ◆トゥレット症候群(トゥレット障害) ◆抜毛癖 ◆その他の習癖異常:指しゃぶり、爪かみ、性器いじり(自慰行為)

<睡眠障害>

◆ 睡眠障害 ◆睡眠時無呼吸症候群(SAS) ◆昼間の眠気過剰(EDS)とナルコレプシー ◆パラソムニア ◆夜驚症 ◆睡眠時ミオクローヌス症候群 ◆過眠症 ◆金縛り(睡眠麻痺) ◆概日リズム睡眠障害 ◆睡眠相後退症候群(宵っぱりの朝寝坊症候群/DSPS) ◆非24時間リズム睡眠覚醒障害(Non-24)

<摂食障害>
◆拒食症(神経性無食欲症) ◆神経性大食症(過食症) ◆小児期発症(初潮前) の摂食障害 ◆男性の摂食障害 ◆難治性肥満症

<依存症・嗜癖行動>
◆ 青少年の薬物乱用・依存:有機溶剤(シンナーなど)乱用、覚醒剤乱用・MDMA(エクスタシー)乱用、大麻(マリファナ)乱用 ◆青少年の喫煙問題 ◆青少年のアルコール問題 ◆自傷行為嗜癖(リストカット、根性焼き、ピアスなど)      ◆窃盗癖 ◆買い物依存症 (浪費癖) ◆恋愛依存症 (ラブ・アディクション)、セックス依存症 ◆放火癖

<性障害および性同一性障害>
◆性嗜好異常(異常性愛:パラフィリア) ◆小児性愛(ペドフィリア) ◆フェティシズム ◆窃視症 ◆窃触症 ◆性的サディズム ◆性的マゾヒズム ◆服装倒錯的フェティシズム ◆性同一性障害

<精神病>
◆統合失調症(精神分裂病改め) ◆躁うつ病(双極性障害)

<非行・反社会的行動>
◆行為障害(非行) ◆性非行 ◆校内暴力 ◆ADHD・アスペルガー症候群と行為障害(非行) ◆反抗挑戦性障害(ODD)

<小児期・青年期に見られるその他の症候群>
◆青い鳥症候群 ◆五月病症候群 ◆学生無気力症候群(スチューデント・アパシー・シンドローム) ◆思春期挫折症候群 ◆ニート(NEET) ◆被虐待児症候群 ◆テクノストレス症候群 ◆インターネット依存症・携帯電話依存症 ◆テレビ依存症 ◆ゲーム脳