人生の神秘、命と魂のダイナミズムを感じ、認知症への理解が180度変わる本。
認知症はタイムマシーン
1,980円
(税込/本体価格 1,800円)
増刷・重版未定
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ISBNコード | 978-4-89976-098-6 |
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ページ | 256 |
著者 | 中田京子 |
発行日 | 2007-03-26 |
●第一章 「ユートピア」のドア、開いています
認知症専門病棟「ミモザ棟」が中田さんの職場。認知症のお年よりは、行動をほとんど制限されることなく、自由にその日その日を楽しんでいます。ミモザ棟は、「問題行動」の裏にあるお年寄りのニーズを見るところ。何をしても受け入れてもらえるという安心感がお年寄り達を安定させていきます。認知症になったことを前向きに捉え、充実した日々をお年寄りが送れるようにケアしていくミモザ棟。そこには、「ユートピア」と呼べるような日々の平安があります。
●第二章 問題行動は、本当に「問題」?
少し物忘れがあるだけで、認知症かもしれないと疑ってしまうほど、認知症の実態は知られていません。この章では、認知症のタイプや症状についてご紹介し、理解を深めていただきます。また、一般的に「問題行動」と呼ばれる行動の裏にあるお年寄りの心に迫り、対処法を探っていきます。
●第三章 「心の生命」を終らせない
ミモザ棟では、「心の生命」の延命をテーマにして、認知症のお年寄りと向き合っています。この章では、お年寄りの生きがいづくりのために行なわれているさまざまな取り組みをご紹介しながら、お年寄り同士のコミュニケーションや、スタッフとのふれあい、音楽や体操、ゲームなどで、心の生命を輝かせるお年寄りの姿を描いていきます。
●第四章 介護で燃えつきないために
この章では、家庭内でスムーズに介護をするためにはどうしたらよいか、心理的な問題も含めてアドバイスしていきます。共倒れにならないためにはどうすればよいか、お年寄りの行動を受け入れるにはどんな考え方が必要か、施設に預けるタイミングは…などの具体的な提案が満載です。また、認知症が家族のあり方を見直すきっかけとなる側面を持つことをご紹介します。
●第五章 心の海に潜るダイバーのように
お年寄りの心を開き、生きがいを見つけるためにとても有効な手段が音楽です。ミモザ棟では、定期的にミュージックセラピーを開き、お年寄りの好きな歌を皆で歌います。お年寄りが好きな歌、反応する歌を探っていくのは、その方の心の中に深く潜り人生を辿る作業です。音楽を通して、心を輝かせていくお年寄り達の姿を描きます。
●第六章 人生の終わりに、タイムマシーンで旅に出る
お年寄りは、それぞれの人生模様を持ち、自分の心模様に合わせてタイムトラベルをしていきます。その様子の不思議さと神秘をお伝えします。人生の総ざらいをしているお年寄りの姿に、厳粛な気持ちが沸き起こります。
●第七章 認知症と生きる意味
自分の一生を自由に生き直している様子から、タイムマシーンがもたらす効果を探っていきます。未完了の時代に戻るパターンには浄化と癒しがあり、完了の時代に戻る時は、自分の人生の輝きを再認識して承認しているかのようです。タイムトラベルの様子には、お年寄りの人生が凝縮されています。
●第八章 認知症から学ぶ、よりよい人生
人にサレンダー(身を任せる)すること、人生にサレンダー(降伏)することも、認知症になったことの大きな意義です。お年寄りは衣食住や排泄などの介助をしてもらうことで、すべてをあるがままにゆだねるというチャレンジをし、ただ「いる」ことで、人に癒しや愛情を与えていく存在になっていきます。よりよい人生を生きるためには、完了、未完了にこだわりすぎる必要はありません。自分のニーズに気づいて、満たしてあげること、日々の感情と向き合うことが大切です。
●第九章 ある人生
著者の祖母の人生を振り返り、祖母が歩んだ人生と晩年での関わりを通じて、祖母から得たものとそれが今日の自分に何をもたらしたかについて語ります。認知症のみならず、家族としてお年寄りとどう関わればいいのか、そのヒントを教えてくれます。