どこにもない、ユニークなセックスと自己成長を軽妙に語った本
必ず私たちの頭の中にあるのに、社会的に語られることのないセックス。親も先生も友達も、セックスの真実を教えてくれるわけではない。結婚するときに、セックスと自己成長について知っているひとは限りなく少ないだろう。しかしセックスは、私たちの生活を背後で規定し、あるときは活力を与え、あるときは問題を作り出し、あるときは私たちを深く癒し、あるときは私たちを次の成長ステップへと運ぶ。ビジョン心理学という自己成長の心理学の創始者であり天才セラピストのチャック・スペザーノ博士(イタリア系)が、セックスと自己成長を軽妙に語った、きわめてユニークな本。セックスに関して、たくさんのジョークとたくさんの実例とたくさんのワナとブレイクスルーを語り尽くしています。どんな本にもない、きわめて直截な言い方で、私たちの学びの場として今も機能している「男女関係(セックス)」から自己成長を語っています。本文2色刷。ひとコママンガ満載。じっさいの男女との紙上セラピー・セッションを本書中にライブ収録。「いいおちんちんと悪いおちんちんを統合する」は抱腹絶倒だが、深い真理を含んでいる。
<本書の一部紹介>
- パートナーが「きょうは疲れたから」と言って相手をしてくれないのは、あなたの「ニーズ」が高すぎるからかもしれない。
- パートナーがいつも文句ばかり言っているのは、そのパートナーがセクシャル・エネルギーを「別の形」で表現してしまっているのだ。
- セックスの最中は完全に開かれているので、どんな「恩恵」でも相手に与えることができる。
- セクシャル・エネルギーを与え、受け取ることで、傷は癒され、その下にあった「ギフト」が表面に浮かび上がってくる。
- 「あげまん」とは、流れ(フロー)に乗った人のこと。
- 「さげまん」は、人をうらやましいと思う「羨望のワナ」にはまってしまった人。
- さげまんは、あげまんとすばらしいセックスすることで、あげまんになることができる(かもしれない・・・)。
- 自分だけに行っていた意識が相手に向かうとき、セックスは味わい深いものとなる。
- パートナーと相互に与え合うセックスができると、まったく別の問題が解消していくことがある!
- 思い出してください。最後にパートナーとセックスしたとき、あなたは「なにを」コミュニケーションしていたでしょうか?
- 頭が静かになっているときが、セックスが一番豊かになる。
- 女性は、ただ自分を愛してほしいだけなのに、男性は女性を「修理」しようとする。
- あなたが誰かを愛していて、相手に自分の愛を与えていたとしたら、その愛はすべて「自分自身」に対して与えていることになる。
- セックスは自然な生命エネルギーなので、その部分を抑えてしまうと、健康にも影響を及ぼすことがある。
- カリスマ性が高く、魅力的な人は、ときにセックスに関するワナに、はまる。
- <重大な人生の秘密>あなたがいま、パートナー以外の相手に感じている魅力は、実は、パートナーがこれから開花させようとしている新しいレベルの魅力であり、才能なのだ!!
- 超自立の男(著者)が、「自立という不治の病」から回復し、どのように結婚したか?
- パートナーのひとりが結婚を決意するとき、相手もまったく同じタイミングで結婚を決意していることが多い。
- 魂と魂がひとつにつながるようなセックスでは、セクシャル・エネルギーはヒーリングやアートやミラクルに使われる。
- セックスは、パートナー同士がつながり、変容していくための乗り物になる。
- 男女関係で、本当に相手に与えているとき、傷ついたと感じることは本質的にはありえない。
- きずなの失われた家族では、愛とセックスが分離するので「競争」が起きる。
- 「三角関係」は、エディプスあるいはコミットすることへの怖れから生まれる。
- 人はきずなを持つことを怖れ、パートナーシップを持つことを怖れる。
- (セックスを通じて)ふたりが本当につながると、奇跡が起こる。
<主な内容>
●第一章 セクシャリティと人生
セクシャリティが秘める可能性について、ビジネス、家族、健康などをテーマにチャック博士が語ります。あげまん、さげまんの真の定義、パートナーとの愛を取り戻す方法、セックスに関するわななど、話は多岐に渡って展開。チャック夫妻の感動的な馴れそめも初公開!
●第二章 セクシャリティは、人生の窓
男女3名へのカウンセリングを通して、私たちが抱えているセクシャリティに関する問題を探っていきます。恋愛へのトラウマや失望感といった誰もが思い当たる問題が赤裸々に語られ、クライアントに対するチャックの言葉が多くの気づきをもたらします。
●第三章 セクシャリティとスピリチュアリティ
セクシャリティを通して、人はいかに学び成長していくのか、そのプロセスが丁寧に語られていきます。悟りへ至る道に起きるさまざまなわなやトラブルと、その乗り越え方を詳しく解説し、セクシャリティの本質へと迫ります。
なんと上品な、セックスの本だろう・・・。(喜多見龍一「まえがき」より)
ずっと、セクシャリティの本、もっとあからさまに言うと、セックスの本を編みたい、と思ってきた。
最初は翻訳本として海外の本も見てみたが、どうもしっくりくる本がない。日本にもセックスをまじめに語った本はあるにはあるが、フェミニズムの視点だったり、私の考えているものは存在しなかった。
私のセックスに関する興味は、文章のなかに巧みに織り込まれている「前提」のようなものだ。言葉の表面には出てこないけれども、その文章全体のムードを形作っており、その文章を受け取ったひとが、その前提の方向に、思わず動いてしまったりするような、力強いなにものか。つまりセックスは、人生のなかで大きな比重を占めているにもかかわらず、私たちは、その翌日会社で「きのうはさあ、二回もセックスしちゃってねえ」と語ったりは、決してしない・・・。社会的には口にはしない。しかし頭の中にはしっかり定位置の居場所があって、時折、救急車の赤色灯のようにピーフォンピーフォンと光ったりもするのだ。
セックスは隠されているわりに、実際には私たちの生活を背後からコントロールしている。ときになにかを力強く動機づけ、方向づけていたりする。セラピーの世界では、ファミリーセラピーのカップルのケースでは、比較的あからさまにセックスは扱われるが、それ以外では、どうしても必要のあるとき以外、あまり表立って扱われない。この本のようにセックスの話題を軽く、かつ深く扱えるセラピストも数少ないだろうし。しかし、その実、深層部分や無意識では、セックスにまつわる、またはセックスに根ざす、さまざまな問題が、「別の問題」として表に表れてくる例を、たくさん見てきた。また逆に、セックスを「可能性」としてとらえることも可能だという想いもまた、以前から強く持ってきた。なぜなら、男女で現れ方は違うかもしれないが、それは私たちの生命力、活力の源泉であり、生命連鎖の源であり、愛と慈悲の源泉であり、精神の高みへの道でさえあるかもしれないから。
この本の著者、チャック・スペザーノ博士が作り上げた「ビジョン心理学」という膨大な体系には、潜在意識や無意識が守備範囲に入っているから好都合。それに、この人のセラピーの現場(トレーニングの中)は、ものすごい直観の嵐であって、もう誰もまねすることのできない天才そのものなのである。美しい奥様レンシーさんとの間にお子さまがおふたり。チャックさんは、セラピーのなかで、相手にズバリ切り込んでいく。相手は(背後にあるものは)なにも語っていないのにもかかわらず、なんでズバリそっちの方向につっこんでいけたのだろう? というところが天才の所以なのだ。そういうわけで、チャック・スペザーノ博士に、セックスと人間関係、セックスと自己成長、セックスと悟りなどを、根掘り葉掘り聞いてみた。
「結婚」という極めて現実的な人生の出来事を考えたときにも、その中の重要な要素である「セックス」については、よく考えてみると、だれも事前に教えてくれたりはしないのだ。親が教えてくれるか? 否。ましてや学校の先生は絶対に教えてくれない。では友達が教えてくれるだろうか? 否。それらは往々にして「変形」していたり、「偏重」していたりする。だれも、セックスについて、まともなことはひとことも教えてくれないのだ。だからこそ男女の関係、セックス、結婚は、人間の重要な学習の場として機能しているのかもしれないが、結婚する前に、この本を読んでいたら、差はでるようにも思う。こういうことを誰も教えてくれないのだから。