【2009年07月号】時代はビジネス環境でも「直感」を活かす方向に。リン・ロビンソンと過ごした2日間の報告。

リン・ロビンソンさんの「直感で豊かさを」の2日間ワークショップに参加してきた。ひさしぶりに「プロの仕事」だったなあ、という感想だ。教え方のうまさもあるが、私が考える「プロ」は、参加者に対する自分の内側の「良き意図」がワークしたかどうかだ。終了時点の参加者をみれば、リンさんの意図がうまく働いたことが分かる。今回、独立してそれぞれの分野で働きたいという参加者が多く来てくださったが、最後にはみな「自信」にあふれ、『うん、これならできそうだぞ』という気持ちがあふれているのが感じられた。なぜみんなが「できる」と思ったかというと、「直感が自分を自動的に正しい道に運んでくれる」という「信頼感」が自分の腑に落ちたからだと思う。もちろん直感といっても「今までの人生の経験値」が直感システムのなかに大きな意味では含まれることはリンさんも言及している。直感は雰囲気だけじゃない。でも、なにか「突拍子もない非論理性」といのうも、その大きな属性のひとつだ。

直感はどんなとき現れるか? テレビを見ているとき、風呂に入っているとき、本を読んでいるとき、いろいろあるだろうが、リンさんのフェイバリットは、「夢」だ。

感じとしては、夢という「畑」があって、そこに種をまいてから寝る。あとは果報は寝て待て。朝になると、その畑からおいしい果物が採れるわけだが、その果物は自分がまいた種が成長したものの場合もあるが、そこに限りなく「翻訳」が必要な場合も多いのも面白い。とれた果物が自分が欲しかったものと、どうつながっていくのかを推理することも、慣れてくると楽しい。私も当然やってみたが、私のは面白かった。牛が出てきて牛がそのひづめに朱肉をつけてグルッとまわして印鑑を押す、という夢だった・・・(それって、印鑑じゃないんじゃない?)。シンボルはきわめて個人的なものであり、シンボル辞典はあまり役に立たない。

リンさんの実際に体験された驚異的な出来事をご紹介。ある日の水曜日、彼女は起き抜けに夢で6つの数字を見たのを思い出した。ご主人を起して伝えると、それはロトの番号じゃないか、と。その週の金曜日になってご主人にロト買っておいてくれた?と聞くと彼は買うのを忘れていた・・・。そしてその番号はまさに5.2 ミリオン$(約5億円)当たっていたのだ!

まあ、神さまの采配はとても神妙で、ここで宝くじが当たっていたら、リンさんはこうして日本で直感を教えていなかったかもしれず、これはこれでよかったのかもしれないのだが。彼女は出版の世界でも直感コーチの世界でも、世界的にも大変成功したわけで、こうした成功も、宝くじが当たっていたらなかったのかも。

「直感」と「エゴの声」(そうあってほしいの声)とはどこが違うのか? この質問は多く、毎回必ず聞かれる。リンさんがおっしゃるには、直感の声の場合に比べて、エゴの声の場合は、なにかこう、せかされるような、すぐそうしないとだめじゃん的な、腰の浮いたところがある、というんです。これ、なんか分かる気がする。こういう特長を知っていると、判断に迷ったときに使えるかも。

どんなとき直感が来やすいか? これはトイレに入っているときや、ひとりでリラックスしているときなどというように、自分が「オープンに開いている」ときが多い。なにかひとつのことに自分がこだわっている状況のなかでは、直感は来にくい。期待が大きい場合も来にくいかも。オープンという姿勢は、ある意味では、なにも期待していない状態でもあるわけで(まあ、実際には期待しちゃいますけど)。

こうして直感で豊かさの方向へ向かっていくわけだが、論理や経験値を使っていない、というわけじゃない。クルマの両輪のうちのひとつが直感だ、というのが実際の姿に近いだろう。しかし論理性の高いひとは、どうしても、その右側の車輪(論理)ばかり使おうとしてしまうんです。本田健さんは、右と左の写真(直感)を同時に使っていらっしゃると思う。そうすると、チカラの出方が全然違ってくるはず。論理と非論理が合体すると、すごく強くなる。

リンさんの豊かさの定義は、バシャールのそれと近いかな。彼女の定義は「好きなときにしたいことができること。かつ、受け取ったものを自分以外の人にも還流させられること」後半が彼女らしくていいでしょう。本当にリンさんは性格がよくて、ご主人も輪をかけて性格がいい。こうした性格のいい先生は、必ずコンテンツがいい、というのが私の信念なんですけど。

リンさんは、アメリカの法人からもマネージャーのために「直感」を教えて、と請われてビジネス・パーソンをコーチしてもいる。私もまったくそう思うが、これからのビジネス・シーンで、直感というグニャグニャしたものはますます重要な位置を占めてくる。リンさんがセミナー中に使ったパワーポイントのなかに、ビジネスマンが会議室でスーツを着て全員寝ている漫画があったんですが、冗談で未来の会議はこうなるでしょう(夢を見てから重要な決断をする)とおっしゃっていたが、最先端の企業では、すでにMBA をとった人間より、クリエイティブな人間が求められる、という流れに符合する話だと思った。

喜多見 龍一


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