【アルミラ・アリエル】ロングインタビュー

2016年に初来日し、その神聖かつパワフルなヒーリングエナジーで、たくさんの参加者を魅了したアルミラ・アリエルさん。元4科の医師という経歴を持ちながら、本格的なスピリチュアルヒーリングを行うアルミラさんに、様ざまなお話を伺いました。

医師からヒーラーへ

SJ
まず、アルミラさんのバックグラウンドについて教えてください。どのようにしてスピリチュアルの道に入られたのでしょうか?
アルミラ
(以下A)

ヒーリングの道に入ったきっかけは、自分を癒したかったからです。医師を目指して勉強していた10代のころから、代替医療にとても興味があり、様々な本を読んでいました。そしてスピリチュアリティに関しても、そういったものにインスピレーションを感じていました。私が夢見ていたのは、医師であり、同時にヒーラーでもある人になることでした。この2つを組み合わせた形で人を助けたい、と思っていたのです。

若い医師だった頃、幾つかのヒーリングのワークショップに参加しました。自分自身の中に、癒すべきブロックがある、と感じていたからです。

ある少し長めのヒーリング・リトリートに参加したとき、とても驚くことが起こりました。自分のチャンネルが開く、という体験をしたのです。誰かが自分の背後にいて、その人が自分の背骨を開いてくれているような感じがしました。すると風、突風のようなものがフッと自分に入ってきて、とてもパワフルな存在を感じ、深い平和、穏やかさの感覚がやってきたのです。


今、当時より年を重ねた私にしてみれば、それは、よりハイアーセルフと強くつながった瞬間だったのだ、と理解できます。でも当時の私には、何が起こっているのかが全く分りませんでしたし、とても驚きました。この体験をしたことが、大きく私を変えたのです。そこから数か月かけて、さらに強くハイヤーセルフと繋がるような出来事が次々と起こり、私が世界をどう見ているか、ということも、それによって変わっていきました。そして自分にとって何が重要に感じられるか、ということも変わりました。


程なくして、ハイヤーセルフからのとても強い導き、ガイダンスを受け取りました。それは医者という職業を辞め、医学の世界を離れる、ということでした。これは私にとって本当に驚くべきことでした。 当時の私は28歳で、医者として優秀でしたし、そしていい仕事を手にしていました。この先、素晴らしいキャリアが待っている将来有望な医師、というのが当時の私の立場でした。それを一晩にして全部捨てる、という決断をしたのです。私の周りの人にとっても、それはとても衝撃的なことでした。


この決断を行って、そこからの数ケ月の間、ヒーラーとして仕事をし始めるように、というガイダンスを受け取りました。これもまた私にとって大変驚くべきことでしたが、このガイダンスに従うことにしました。他にやろうと思いついたことも特になかったし(笑)、何も他にすることがない、という状況だったからです。 そこからずっと、私の人生は、導きやガイダンスに従って歩んできているのです。

SJ
イギリスでは長い間ディバインヒーリングを教えていらっしゃるということですが、イギリス以外の国で教えるのは日本が初めてですか?
A

そうですね。日本が初めてです。

神聖な目的を完全に表現することができるようになる「ディバインヒーリング」

SJ
今回初めて日本で教えてみて、何か感じたことはありますか?
A

日本の生徒さんは、とても受容的ですね。私が伝えることをよく呑み込んで、受け止めてくださいます。あとスピリチュアルな概念にとても敏感で、強い感受性があると感じます。また、とても深いですね。いつも自分の感情を表すわけではないけれど、日本人はとても深みを持っている人々だと感じます。
何が良いことなのかを、とても深く自分の中でわかっている、とても自然なスピリチュアリティを感じます。日本においては、神聖なものが全てのものの中にある、ということを理解できました。ですから、とてもディバインヒーリングを教えやすいですし、教えていて楽しいです。

SJ
過去にアルミラさんが行ったディバインヒーリングのセッションで体験した、ヒーリングの具体例について教えてください。
A

これはちょっと特殊な状況だったのですが、ある女性が事故で鼻を強打して大理石の床に倒れ、完全に気絶したことがありました。私はその場にいたので、すぐにその方にディバインヒーリングを行いました。まずは、本当に緊急性のある症状があるかを素早くチェックして、そしてディバインヒーリングを10分間行ったところで、彼女の意識が戻ってきました。

そのような医療的に緊急性のある状況の中でワークするのは私にとって初めてで、ディバインヒーリングが何らかの効果を表すかどうか全然予想できませんでした。 その時彼女は、とても素敵な臨死体験をしたそうです。自分にとってのマスターに会って、そのマスターは「あなたの時はまだ来ていません」と彼女に言ったそうです。 でも基本的には、救急・緊急性のある状況でディバインヒーリングを使うということはお勧めしていません。

これまでに、とても多くの様々な身体的な症状へディバインヒーリングを行ってきました。 依存症を持っている方が癒されたケースも沢山ありましたし、視力が上がった方もいらっしゃいました。ある遺伝的な病気が奇跡的に回復した方もいました。私のマインドではそれがどういう風に可能だったのかは全く理解できないのですが。

SJ
1回のセッションでそういうケースが起こるのですか?
A
 

遺伝病の方の場合は、シリーズで何回かセッションを受けていただきました。また別のケースですが、とても深刻な鬱病だった女性に継続的なセッションを行ったことがあります。彼女は自殺願望があり、それを阻止する為にいろいろな薬を投与されていました。 ディバインヒーリングのセッションを毎週1回行った結果、8週間後、彼女は普通の状態を感じられるようになっていました。仕事をすることが可能になり、完全に人生に参加することができる状態になったのです。私はすごく感動しました。医師時代、精神医学の仕事を実際にしてきて、鬱というのは本当に何年も続いてなかなか治らないのを見てきたからです。

多くの場合、あるクライシスに直面している人にセッションすることも多いです。クライス、危機的な状況、またはある人生においての転換点、分岐点にいる、という人ですね。 また、自分自身にブロックがあると感じている人、本当に自分の最大限のポテンシャルを発揮することにブロックがある、という人にセッションすることも多いです。ディバインヒーリングは、そういったことに対しても素晴らしい効果を発揮します。その人の持っている、とても良い資質を引き出す、という意味においてです。それによって、その人本人の神聖な目的を、完全に表現することができるようになります。

ヒーラーに必要なのは「良いチャンネル」と「愛」

SJ

日本にも鬱病で困っている方はたくさんいらっしゃいます。ディバインヒーリングのプロセスについて伺いたいのですが、セッションにおいては、アルミラさんがコマンドコードを送ってクライアントさんのエネルギーを動かし、その結果癒えていくのでしょうか?それともクライアント自身に、何らかの気づきがセッション中に起こった結果、癒えていくのでしょうか?

A

とてもいい質問ですね。鬱はとても複雑な問題です。全員にとってその原因は異なると思います。もちろん癒される為には、自分が癒されたいという願望がないといけません。これはとても根本的な前提条件です。治りたい、癒されたいという望みを、私がクライアントさんにあげることはできません。でも私達には、自分が癒されたいという願望があるけれど、それが自分の為ではないことがよくあります。 例えば親だったら、子供の面倒を見なくてはならないから病気を治したい、というような場合です。
先ほどお話した自殺願望を持っていた女性には子供がいました。母親でありたい、母としての役割をこなしたい、という願望が彼女にはありました。彼女にとってそれはとても強い動機の1つでした。また彼女自身がセラピストでもあり、「人類への愛」というテーマが彼女にありました。それも彼女にとってモチベーションとなっていました。

実際のプロセスについて言うと、セッションを始めたころの彼女はあまりにも鬱がひどく、このプロセスに繋がっていって、ワークに取り組むことすらも彼女には困難でした。 そのヒーリングを受けとる為に、自分が繋がる、取り組むということが難しかったのです。でも少し良くなり始めたところで、より自分の問題に向き合う、ということができるようになってきました。そして幾つかのとても深い気づき、何かを認める、認識する、ということが起こりました。彼女はなぜその鬱が起こったのかを理解し、それもまた癒すことができました。 なので、クライアントさんが癒えていくプロセスには、質問で言っていただいた2つのこと両方が融合してある、という感じです。 ただ、私が絶対にしないことは、その人が今まだ向き合う準備ができていないところへ無理にプッシュして、足を踏み入れていくようなことです。

SJ
では、本当の本質の自分への気づき、問題への気づきがなくても、ヒーリングは起こる、と考えていいんでしょうか?
A

そうです。当然、一番深いヒーリングは、クライアントさん本人に、その気づきが起こった時に起こります。でも、すべてのクライアントさんが、今、自分が受け取れるレベル、適切な量の癒しが起こる、ヒーリングを受けとることはできます。

SJ

これまで何度もその問題に取り組んできているのに改善しない、という場合は、その人がまだ、その問題と向き合わなければならない理由があるから改善しない、という風に考えていいと思いますか?

A

ヒーリングの旅は、自己成長の旅なんです。人によっては慢性的な、継続的な問題を持っている場合があります。その理由は、その問題がその方の‘成長への扉’になっているからです。。
その問題がゲートウェイになっているんです。まるで魂のレベルで、ご本人がその問題を持つことを決めた、という感じですね。そのツールを通して成長していく、という旅です。 多くのヒーラーも、継続的にある問題を持っていることがあります。ある意味、それがその方のトレーニングの一部でもあると思います。

SJ

「ヒーラーは、完全に癒されていなければダメだ」というティーチャーもいらっしゃいます。アルミラさんはそうではなくて、「ヒーラーは、完全に癒されていなくても良い」というお考えなのですね?

A

とてもいい質問ですね。私も以前は、ヒーラーは完全に癒されていなければならない、と思っていました。でも、それは本当ではない、と気づいたんです。 ヒーラーに必要なのは「良いチャンネル(回路)」と「愛」です。人類への愛、神への愛、それがヒーラーにとって一番重要なことです。

SJ

ディバインヒーリングは、たくさんの高次の存在達から降ろされてきているということですが、具体的な存在の名前を教えて頂けますか?

A

これに関しては自分個人の体験からしか話せませんが、私の場合は天使とか、大天使に私と一緒にワークしてくれる存在がたくさんいます。 具体的に言うと大天使ミカエル、大天使ラファエル、大天使ガブリエル、大天使アリエル、エロヒムも私とワークしたりします。エロヒム達は、他の言い方では創造の神達ですね。
あと、クライアントが誰かにもよります。時々、ある専門を持った存在が入ってきて助けてくれることもあります。例えば遺伝の専門家や、ガンを専門としている存在が来てくれたりすることがあります。ですので、いつも私も学ぶことがあるんです。(笑) そういった存在達が、セッションの中で新しいことを私に教えてくれたりします。 セッション中、よく彼らに「今どうしたらいいかわかりません」と言うことがあります。すると彼らは「こうしてこうして、次にこうしなさい」と教えてくれます。この順序、このシークエンスは、自分が今までやったことがないものがあった時うまくいくんです。だから、私はいつも新しく学んでいるんです。そういったことを、ワークショップの参加者の方にも教えられたらいいな、と思っています。チャンネルは開いているので、たとえ、自分がわからなくてもいい、必ずどこかで助けがあって、その瞬間にやってくるのだ、ということです。

私からディバインヒーリングを学んで、今セッションを提供している方の中には、その後、ある特定の専門分野を持ってワークしている方がたもいます。例えば、ある方は「馬」を専門にしています。馬の専門家である存在達が、彼女のセッションを助けています。 「子供」へのワークを専門にしている方もいます。子供時代に起こり得る問題、自閉症とか、学習障害とか、とても広い範囲を扱っています。私自身は、このヒーリングを教えている講師の立場なので、専門性に特化する、ということが起こっていないのかなと思います。私のチャンネルはとても広いんです。

ディバインヒーリングは、ひとつの成長への道

SJ

ディバインヒーリングはレベル4まである、というお話ですが、それぞれの概要、1から4までの特徴、何をカバーしているのかをそれぞれ簡単に教えていただけますか?

A

レベル1のテーマは、「自分自身をエンパワーさせる」ということです。 ハイアーセルフと再び繋がり、ワークすることを学びます。そしてエゴの基本的な構造について、ヒーリングとは何かについて学びます。
ワークショップでお渡しするマニュアルには、様々な問題のヒーリングの為のたくさんのチャートが入っています。例えば過去世の問題とか、先祖の問題、自分の個人の問題などです。レベル1の趣旨としては、自分自身が自分を癒せる、エンパワーメントを感じられるようになるということです。私は3年間、レベル1だけを使ってワークしたことがあります。その時もクライアントに対して、とてもいい結果が得られていました。

レベル1以降の各レベルは、波動がレベルごとに上がります。ヒーリングのための道具箱が拡大していく感じですね。そして大まかにいうと、ヒーリングがより素早くなってきます。そしてより優雅にヒーリングが行われる、というのが特徴です。

レベル2のテーマは、「divine temple = 神聖なる神殿を癒す」です。 「神聖なる神殿」とは、私達の肉体を意味しています。肉体のバランスを取り、癒す為のチャートがたくさん入っています。というのは、身体のバランスが取れていると、よりチャネリングがしやすいのです。自分の持っている良い資質を表現しやすくなります。

レベル3は、現在のところこういうネーミングが付いています、「自己愛へとより深く入っていく」。このレベルはとてもスピリチュアルなレベルといえます。より自分の内側深くへ入っていけるようになる、ということです。 例えば魂レベルに存在するプログラムのような、より深いプログラムもヒーリングすることができる、という特徴があります。このレベルの目的は、本人が自分のスピリチュアルな道において前進することを助ける、ということです。それが現れてくるメインテーマです。
より自分を愛することが出来ると、自分を愛せていると、より自分と向き合うことができるようになります。 自分を向き合うことが出来れば出来る程、自分が成長できます。
ディバインヒーリングは、ひとつの成長への道でもあるのです。このレベルを経験していくクライアントの多くは、個人的にとても深い変容を経験します。

レベル4は、「恩寵を抱擁する」という名前がついています。全てのレベルで一番スピリチュアルです。そして最も深いレベルのワークを実現してくれるのがこのレベルです。このレベルは高度なヒーラーになることを教えます。 全てのレベルには、どんなセッションを提供するか、という情報も含まれています。
良いヒーラーであるにはどうしたらいいか、また、ヒーラーとして気を付けた方がいいこと、落とし穴的な部分もお話します。ヒーリングの為の、トレーニングスクールのような感じになっていると思います。 そしてさらに、レベル4の後の特別なグループもあります。「マスターキー・アドバンストレーニング」です。ここではとても高度なテクニックを使います。

SJ

アドバンストレーニングを受けている生徒さんはどれくらいいらっしゃるんですか。

A

はっきりとした数字はわからないですけど、40〜50人くらいですね。レベル1を受ける方はたくさんいますが、レベル2を受ける方はそれより少ない数です。
レベル2を受けた方は、レベル3も受ける方が多いです。そして殆どの人がレベル4も受けます。そしてレベル4を受けた人はほとんど、このアドバンストレーニングを受けます。
今、地球上において意識も変わってきています。以前より「ディバインヒーリング」を受入れる人が多くなってきました。多くの人がより敏感になってきていますし、より感情に気づく、ということが皆に起こってきています。そういった受容力があるので、「ディバインヒーリング」も教えやすくなってきました。

何年か前にある占星術師から「2011年を過ぎたら、世界はあなたが教えていることを受入れるだろう」と言われました。今イギリスでは、クライアントが増えすぎて対処しきれない状態になっています。ですからディバインヒーリングのアドバンスプラクティショナーのリストを作って、自分で全部対処しきれない時にクライアントに紹介しています。

SJ

アルミラさんのようなセッションを提供できるようになるには、アドバンストレーニングまで受けないと難しいのですか?

A

「私のようになってください」とは絶対に言いません。1人1人、スピリットへの開き方は少しづつ違うんです。そして1人1人異なるチャンネルを持っています。 だからディバインヒーリングにおいては、自分のスタイルを見つける、ということがとても大事なのです。

自分に忠実に、ハイアーセルフに従って忠実でいると、一番いい成果が生まれます。 そういったことを学び理解していくのも「ディバインヒーリング」のトレーニングの一部です。
例えばあるクライアントが、私と、私のアドバンスクラスの生徒さん両方からディバインヒーリングのセッションを受けたとします。クライアントが全く同じ問題を持ってセッションに行ったとしても、そのセッションのプロセスは、それぞれ異なるものになるでしょう。でも、良い結果、成果が生まれるのは同じです。癒しの起こし方というのは、唯一これだけというのはなく、沢山の方法、形があります。それがディバインヒーリングの美しいところだと思います。
例えばある人が天使系の魂を持っていたとしたら、その人はたぶん天使的なスタイルでワークしたがるでしょう。またある人が、より星々の存在へのチューニングがとれている方だったら、またそれとは違うスタイルでワークしたがると思います。ディバインヒーリングにとても適応性があるというのは、そういったところです。

SJ

それはこう言い換えてもいいですか?レベル1を受けただけのプラクティショナーでも、レベル4まで修了したプラクティショナーに劣らないくらいの素晴らしいセッションができる可能性がある、と?

A

はい。結局、愛が一番大事なんです。それは、日本人の生徒さんたちにとても強く感じられるところでもあります。とてもスピリチュアルで、そして本質を大事にする、一番最善の事を起こしていきたい、という気持ちを感じます。
きっと、日本の文化とも関わっているのだろう、と感じています。いつでも高い水準で行うということに重点が置かれているのが日本の文化であると思います。日本の歴史を見ると、卓越性というか、高い水準で何かをする、ということをとても重視しているのを見受けられます。
例えば日本庭園というのは本当に素晴らしいと思いますし、それが日本人の精神の一部なのかなと思っています。そういった資質は、ヒーラーにとって、とても大切な資質だと思います。自分がなり得る最高の自分になろう、という気持ちですね。

自分ができるだけ最高のチャンネルになろうとか、最善の自分が提供できる奉仕をしよう、役立とう、とか、またそういった中で、謙虚さ、という質もあります。ヒーラーが謙虚であると、より良いチャンネルであることが可能になります。ヒーラーが「私が一番だ」と思い始めると、ちょっと危険がありますね。(笑)
日本人には自然と謙虚さが備わっていると感じます。それは私が日本でとても教えやすいと感じている理由のひとつです。

(2016年11月収録)