【中健次郎】インタビュー『気と心身・オンライン気功教室第二回に寄せて』

2021年1月に第二回が開催となる、大好評のオンライン気功教室『内なる生命エネルギーを活性化し、自己を整える』教室。
第二回に寄せて、講師の中健次郎さんにお話をお伺いしました。 気(エネルギー)と心身の関係、気功はどうして心身の活性化、ストレスの解放に効果的なのか、スピリチュアルな感覚の向上にも役に立つ?など盛りだくさんでお送りします。

気と心身・オンライン気功教室第二回に寄せて

SJ
第一回は腎臓・丹田を中心にした気功を行いました。これは何故だったのでしょうか?

腎臓を中心にするのも、丹田を中心にするのも気を身体の中に満たしていくためです。
気が少ない方が多いので、まず満たしていく。
腎臓や丹田を中心に動いていくとだんだん内なる気が増えていくのです。
内気(ないき)が満ちたら、そのエネルギーをコントロールして、身体の中で動かせるようになっていく。
これが大事です。

内気を内臓に持って行き、今度は内臓を整えていく。
内臓のバランスを崩している方が多いので、今回は内臓の整え方を重点的にお教えしようと思います。
中国の伝統医学(中医)では五臓と言い、
主に心(心臓)・ 肝(肝臓)・ 腎(腎臓)・ 脾(脾臓・胃や消化器を含む)・肺の五つを整えます。

SJ
内臓と共に心も整っていきますか?

勿論心も整っていきます!
東洋の医学では、各内臓と心の状態というのはすごく関係しているんですね。
例えば、怒り・イライラは肝臓の状態と関係します。
ですから、内臓を整えることにより、内臓の働きもよくなりますが、心の状態も調和されていくのです。

内臓を整えながら全身のエネルギーをバランス良く整えていくと、肉体的にも健康になっていくし、精神的にも落ち着いて穏やかになっていきます。

SJ
エネルギー(気)と体調の関係はどんな感じなのでしょうか?

気が上に集まって滞ってしまうと、冷えのぼせのようになり、頭痛がする、首や肩が凝る、気分がすぐれない、など色々な症状が起ります。
そういう方は結構多いと思います。
あるいは下が冷えて、足が冷える・足がむくむなどいろんな不調が起りますが、それはみんな上の気と下の気が交わっていないからなんです。

例えば中医学では、心(心臓)のエネルギーは火のエネルギーで上に上がり、腎(腎臓)は水のエネルギーなので下に下がります。
放っておくと、上と下が分かれてしまって下が冷え、上はいつも緊張して、めまいや首や肩が凝るなどということが起こります。エネルギーが上がってしまって、下がってこなくなっている状態です。
不眠症も、上に気があがりっぱなしだと起りやすいです。

心臓の火のエネルギーと腎臓の水のエネルギーを相交わらせることを、中医では心腎相交(しんじんそうこう)と言います。
これが交わっていない方が多く見受けられます。
それを気功によって交わらせていくと、体調が良くなり、疲れも取れやすくなります。

SJ
気を交わらせるとストレス緩和や思考する作業にもよいのですか?

みなさん無意識に心身が緊張しているんです。
デスクワーク等で、頭ばかりを使って、運動もあまりしないでいると、エネルギーが偏って、滞ってしまっています。
そして、気が上に、上にと上がってしまって降りてこなくなってしまうのです。
もっと下に下がってくると精神が落ち着き、逆に色々と知恵が浮かんできますし、物事がクリアに見えてきます。勿論ストレスも緩和されます。
そういう意味でも気功はとても役に立つと思います。

SJ
今回のオンライン気功教室についてお聞かせください。

解りやすい、短い気功の型をいくつか使って、五臓と全体のエネルギーの整え方をお伝えできればと思います。
2日間を通して、五臓を整えるとともに、脊髄を整えることもやります。
気功が全く初めての方でも大丈夫です。
脊髄に気を通すことで神経系統が綺麗になり(洗髄と言う)、自律神経も整っていきます。
また、精妙なエネルギー体にある中心軸もできてきます。
背骨や脊髄には、過去から無意識に植え込んでしまった、あるいは受け容れてしまった心のマイナスエネルギーが溜っています。
内臓にも溜っていますが、そういったものも五臓と脊髄を整えることで解放できます。

いくら頭では解っていても、深層意識の部分は、思考では変えられないのです。
混乱してあがき、次から次へと考えるけれど、それらもまた真の自己を取り戻すための障害となっていきます。

エネルギーを通しながらそれらを解消できるのが気功のよさであり、かなり近道のような気がします。
精神や心のためのワークだけ行っていると、頭でっかちになって全体としてのバランスが壊れます。
やはり大地に根を下ろし、この世に頂いた肉体やエネルギー体を通しながら真我に目覚めて行くことが大事だと思います。

SJ
気功をすると、瞑想やスピリチュアルなワークでの感覚や直感力も良くなるのでしょうか?

勿論です。
気功で心身を整えていくと、心の静けさが深まり、直感力やひらめきはものすごく冴えてきます。
自分個人の知恵ではなく、拡がった意識の中での全体としての英知につながっていきます。
そしてその時に不思議にいろんな奇跡的なことが起こって来たりします。

何も期待していない、一瞬無になった時、自分では計り知れない「妙(みょう)」が働き、何か不思議なことが起ってくるんです。
感応というか、共鳴というか、深いところで全ての意識がつながっているので、
結果も求めていないし、自分が起こしているという思いもないのに何か「妙」が働いて不可思議なことが起こってくるんです。

人知を超えた何かが働いてくれて、一番ベストな状態が顕現されてきます。
その時、病んだ身体も一番良い状態になるように自然治癒力が高まり、 思いもしないような回復を遂げる人もいます。
私が関わった人達の中で、そういう体験をした皆さんが言うんですが、「心身が軽く空っぽになった感じ」だそうです。
仏教でいうところの「空」の状態かも知れません。その時に肉体もエネルギー体もぱっと変化するんです。
だから頭で考えても変化しないんです。
雑念のない状態に入る。気功では「入静」と言いますが、内臓と脊髄を整えながら、そういう状態に入っていくことが最も重要です。

ただ頭で期待を手放そう、大いなるものにつながろうと思ってもなかなか繋がらないんです。
身体やエネルギーの流れを整えていく過程で、そういう状態が自然にできてきます。

SJ
中先生をモニター越しに観ているだけで、すっと静かになっていく感じがします!

それは何か見えないところで深い層の意識が感応しているんです。
それは皆さんの中にも、もともとそれがあるからです。ただ自分でそれに気づいていないわけです。
心が交通渋滞しているようなものです。
気球に乗って高いところから、交通渋滞してるのを見たら、渋滞してるのが見えるじゃないですか。でも渋滞の中に入ってしまったら見えなくなります。
自分の不調和を他のせいにしたりして、ぐるぐるまわっている心を自分と同一視してしまい、それが自分だと思い込んでいるわけです。

でも、そこで「同一視してはいけない、自然な自分にならなくては…」と、頭で考えてもやはり変われないんです。
また、痛みがあれば肉体の感覚につられてそれを自分だと思う。痛みとかつらさに同一化してるんですよね。

何とも言えない爽やかな、何の囚われもないスカッとした感覚の時は、心も渋滞していません。それが本来の最も自然な状態です。

SJ
オンライン気功教室の受講中は、中先生を観ながら一生懸命ついて行くので、結構皆さん無になっているのでしょうか?だから、体調が良くなった、不思議な体験をした、意識が変容したというご感想も多かったのですか?

そうです、結構無になっているんです。
脳内のミラーニューロンによって私と共鳴しているのかも知れません。
静まった心で体の内側を意識でき、他の事は忘れているわけです。
心の滞りがなくなると、内臓の働きも良くなってくるし、食べ物も不自然なものは欲しくなくなってきます。
皆さん心が滞り、ストレスが溜まっているから、それをごまかすために体に害のある不自然なものを食べたりしてしまうのです。
そして悪循環で体を壊し、心も余計に苦しくなったりします。身体も健康的な体型を保てません。

ですから、気功で最も良い心の状態をつくり、それを生活の中で維持(生活即気功)していけば、仕事の能率も上がるし、食べ物も少なくて済み、疲れにくくなっていくし、身体も若返り、理想的な体型も保てるようになります。
肉体が楽になれば心も楽に、心が楽になれば肉体も楽に、相乗効果で身も心も軽くなっていくことでしょう。

(2020年9月収録)

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