COLUMN
精神的な肥満の解消法

肥満は精神的な肥満から始まります。
精神的な肥満、それはストレスが原因です。
- 精神的飢餓状態=愛の欠乏感、自信喪失、自己不信、自己嫌悪
- 精神的消化不良=消化しきれない量の仕事や問題、悩み
- 精神的便秘=手放すこと、失うことの恐れから「不必要」なものを溜め込む
このような精神的な状態が慢性化してくると、肉体に症状として現れます。
お腹がすいていないのに「何かを口に入れたい」
食事をした後も「満腹感がない」
糖分が不足しているわけではないけど「甘いものを欲する」
エクササイズをする気力はありません。
かりに頑張ってエクササイズをしていたとしても摂取している量を燃焼するだけの運動量ではないので現状維持になるだけです。
「エクササイズしているのに、全然痩せない〜!」とさらにストレスは募ります。
精神的な肥満症の人は外の現象に「気を使い過ぎる」傾向にあり、元気からだんだん気が減っていき、その結果、気が弱くなり、根気もなくなり、やる気が出ない、と移行していきます。
優しい人、Noと言えない人、頑張り屋さん、世話好き、完璧主義の人たちは精神的な肥満に陥りやすいですね。
特に肥満になりやすい人は「優しい人」が多いようです。
他人から何かを頼まれると「NOと言えない」タイプ。
他人に優しいことは良いことなのですが、度が過ぎるとストレスになります。
「度が過ぎる」というのは、どの辺なのでしょうか?
その境界線がわからなくなっている人が精神的な肥満につながっていきます。
「もう、たくさんだわ!私も疲れているんだから!」と感じるセンサーを麻痺させてしまった人は度が過ぎる親切や気遣いがわからなくなってしまっています。
それは食事をした後に「もう、たくさん食べました」と胃からの情報が脳に伝わらないのと同じです。
例えば、こんなケース。
今夜はゆっくりとお風呂に入って好きな本でも見てのんびりしよう!とお風呂にお湯を入れている時に電話が鳴りました。
いつも飲みに行こうと誘ってくるAさん、電話に出なければいいのに、出てしまう自分。
そして、案の定、お誘いが。
「あ、私、今日はのんびりと本でも読もうと思って…」と勇気を振り絞って言ったのに「読書〜?本なんかいつも読めるじゃないの。いい、8時にいつものところね!」と言われると、それ以上は言えず、電話が切れた後、お風呂のお湯を止めて、外出の仕度をしているアナタ。
このような行動はストレスになりますね〜。
「あ、でも、Aさんは面白い人だし、行けばそれなりにちゃんと楽しんでいます。だから…」
だから?だから、OKって自分に言い聞かせて、いろいろなところでそうやって自分の「本当にしたいこと」を諦めているのではありませんか?
たまたま今回だけ、ではないでしょう?
「NOと言えない」のはAさんを悲しませたくない、気分を害したくないなどAさんを思いやってもの、あるいはAさんに嫌われたくないという「弱気」な理由からかもしれません。
Aさんと健康的な関係を続けるためにも、そして自分の心と健康的な関係を続けるためにもこのような場合は例えば次のように言うこともできます。
「Aさん、誘ってくれてありがとう。でも、今夜はゆっくりとしたいの」とやんわり断ってみては?
「でも、何をするの?って聞かれて特に何も考えていないと断ることが悪いような気がして…」というアナタ。
「何もしない」っていうのも充電には必要な時間ではないでしょうか?
疲れたから、何もしないでゴロゴロしていたい、というのも十分な理由だと思いますが、ではちょっと長くして子のような感じは?
「Aさん、誘ってくれてありがとう。でも、今週はとても忙しくて疲れが溜まっているの。今夜はゆっくりとしたい気分なの。もう、お風呂も入れているし…。また、誘ってね(本当に誘ってほしいと思っている場合だけ)」
こう言ったアナタにもしAさんが気分を害したとしたら、それはAさんの問題です。
疲れているアナタのことを気づかえない、そのようなAさんと無理に合わせて今後付き合っていくことが大きなストレスですよね。
それから、突然の「お誘い」、「お願い」に思わずYESと言ってしまい、後から後悔する「世話好き」な人。
反射的にYESといってしまうアナタ、誘われたら、即答せずに返事をゆっくりと考える時間を自分に与えるようにしてみてください。
例えば、「明後日の午後…今、手帳がないから(予定がわからないから)、後で電話するね」と、とりあえず答えて、心無い即答をして後悔するパターンから抜け出ましょう。
「頑張り屋さん」も同じようなことが言えます。
頑張りが過ぎて、あれもこれもたくさん手を出して、こなしきれずに失敗したり、苦情を受けてストレスになりやすい状況を作ってしまいます。
「完璧主義」は 他人に任せることが出来ず、自分で一杯抱えてしまうことになります。
もちろん仕事などではミスは許されないでしょう。
完璧を求められるでしょう、しかし、 完璧主義の人は仕事以外のところにも完璧を求めているために、緩むところがなく張り詰めてプッチンと切れてしまうのです。
もし、日常の生活で他人の言動を見て、「私だったらこうするのに…」「常識で言ったらそうじゃないでしょう」「普通はこうじゃないの」とついつい批判的に反応することが多い人は気をつけましょうね。
外で起こることにいちいちネガティヴに反応するのは疲れます。エネルギーを消耗します。
不必要なところで無駄に完璧主義な自分を見つけたら、穏やかに反応できるように矯正をしていきましょう。
「自分の考えは違うけど、そういう考え方もあるんだな」と受け止める、あるいは流すことができるように変えていくことはメンタルな消化不良を減らすことでもあります。
完璧主義が他人でなく、自分にだけ出てしまう人。他人には優しく、自分に厳しい人は自分で自分を縛り付けてしまうことになります。
ピンと張りつめてばかりでは気が休まりません。気楽、気軽になるって大切ですよね。
そういう方は鞭打っている自分を時々考えてほしいのです。
「もし、この現状が親友の○○ちゃんの立場だったら、自分はどんなアドヴァイスをするだろうか?」と。
「○○ちゃん、そんなに無理しないで、無理した頭で根詰めても良い結果は出ないよ。1日ぐらい休んだって大丈夫だよ。リフレッシュしなきゃ!」
「そんなに自分を責めないで。完璧な人間なんていないんだから…。よく頑張ったよ!偉いよ!」
と親友にはそういう言葉がかけてあげられるアナタ、どんなに自分に対して厳しいかわかりますか?
自分が他人に与える同じアドヴァイスに従ってみることは自分に優しくすることです。
他人に優し過ぎると、その過剰な分、自分が辛くなります。
他人を助けた自分には満足するかもしれませんが、自分を慢性的に不満足にしているともう一人の自分(体)が「じゃあ、自分は?」と無言の反抗をしだします。それは肉体の症状、精神の症状として現れます。
肉体がまず、そのストレスを受け止めて、受け止めきれなくなると、精神に現れるでしょう。
頭痛、胃のもたれ、下痢、便秘、アレルギーなどの病気として取り扱ってもらえない症状が出てきたら薬で押さえつけるのではなく、体を労わってあげましょう。
「疲れたなぁ」「ゆっくりしたいなぁ」という心の叫びを無視して頑張ってしまわないように、気をつけましょう。
引きこもり、鬱病、パニックアタックなど、これらの初期の症状に「話すのが面倒」とか「出かけるのが面倒」という他人に対しての拒否反応が見られます。
そのような症状が出たら、自分は疲れているのだと認識して、リフレッシュさせる手段を考えるとよいですよね。
病気、気が病むことです。根気がなくなり、元気がない状態から弱気、邪気、狂気と変わっていきます。
狂気とは気が狂うと書きます。
気、体の中を駆け巡るエネルギーがおかしくなってしまった状態です。
ホルモン系、リンパ系、神経系、そして血液(血圧)などの乱れも気が狂った状態といえます。
ストレスの発散の仕方を見つけてください。
カラオケでもエクササイズでも「あ〜スッキリした!」と体感できるもの。
お腹が痛くなるぐらい笑えるものを見つけられたら最高です。
体中の筋肉が笑いでヒクヒクするのを体感して欲しいです。
同じようにストレスを受けても太らずに反対に痩せる人がいます。
それはその個人の体の反応なのですが、結局はコイン裏表、同じことなのです。
「昔はすごく痩せていたけど…」という肥満の人が多いのもこのためです。
痩せてやつれた感じの人が「ちょっと疲れて…」と言うと、「やせたみたいね、大丈夫?」と反応が返りやすいけど、ポチャッと丸々した顔の人が「最近、なんだか眠れなくって…」と言っても「何を冗談言っているんだよ!」とバーンと背中を叩かれたりします。
気の良い、気の弱いポチャリのアナタは「えへへ、ちょっと言ってみただけ〜」なって誤魔化したりすることも、しばしば。
「太ったのはストレスのため。自分の繊細な神経を脂肪で守ろうと体が反応しただけです。
もっと自分に優しく、大切にしてあげなければ」と自分のために立ち上がってください!
そして、不必要にエネルギーを消耗してしまうそんな癖を改善していきましょうね。